緋村燐

ジュニア小説、少女小説、キャラ文芸、異世界恋愛など、ファンタジー感のある小説を書いてい…

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ジュニア小説、少女小説、キャラ文芸、異世界恋愛など、ファンタジー感のある小説を書いています。 お仕事募集中です! アルファポリス【第一回きずな児童書大賞】優秀賞受賞✨

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モノカキの自己紹介

はじめまして! 緋村燐(ひむらりん)と申します。 秋田県在住のパート兼小説家志望の二児の母です! 執筆の御依頼お問い合わせはXのDMまでお願いいたします。 ※スケジュールによってはお受けできない場合があります。 【略歴】 長年趣味で物書きをしていました。 5年ほど活動休止後、2021年4月から名前を新たに活動再開し、2024年8月アルファポリスきずな文庫にてデビューいたしました。 ○アルファポリス ・【第一回きずな児童書大賞】  『うた×バト〜思いは歌声にのせて〜』優

    • 私の執筆履歴⑥

      退職とプロットの勉強  2023年に念願の受賞となりまして、水面下でも書籍化のお話も進んでいたのですが……。  プライベートの方は少々バタついていました。  子どものことや自分の病院(突発性難聴とか、検診とか……)のことで仕事を休むことが多くなり、有給を早々に使い切ってしまいまして。  経営者側から休みすぎと言われ働き方を考えなければならなくなりました。  その職場でパート勤務に変えるという方法もあったのですが、色々と思うところもあり退職という選択をしました。  その

      • 六話 ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける

         それから半月後、楊淑妃が産気づいた。 「才人っ、李才人っ」 「はい、ここにおります」  陣痛の合間に呼ばれ、側に寄る。  玉の汗を浮き上がらせながら、いつになく不安気な淑妃に寄り添う。 「恐ろしいの、私は無事子を産めるかしら? 死ぬことなく、この子を抱けるかしら?」  柔らかな印象でありながらいつも気丈な淑妃の弱音。  出産は母子共に命に係わるものだ。白龍帝の子を身籠ったのは瑛貴人と楊淑妃以外にも多くいる。  だがそれは様々な理由で生まれることなく死に絶えた。  それを見聞

        • 五話 ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける

           楊淑妃の側につくことを許されてから約ひと月。  初めは警戒し敵意ばかりを向けていた侍女たちは、今ではその警戒を解き態度が軟化していた。 「李才人様はお話してみると案外普通のお方なのですね」  素で出てきたような侍女の言葉に面紗の中で紅玉は苦笑いする。  下級妃と言えど仮にも皇帝の妃に対して“案外”とはずいぶんな物言いである。だが、初めの敵意しか向けて来なかった相手の言葉だと思うとむしろ喜ばしいとも思えた。  もとより紅玉は噂のように人を呪い殺したことなどない。ごくごく普通の

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        モノカキの自己紹介

          四話 ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける

          「聞いたぞ。見事なものだな」  自身の離宮に戻る途中聞き覚えのある声に呼び止められた。  見ると、金糸で品の良い刺繍が施された黒地の袍を身に纏った黒呀が供もつけず待ち構えている。  簾のような旒を垂らした冕冠をつけたその姿は黒龍帝のみが許されている朝服。  昨夜見た夜着姿とは違う色気と凛々しさに、紅玉は思わず心臓を跳ねさせてしまう。 「偶々でございます」  頭を下げ礼を取り、意図せず早まる鼓動を誤魔化すように淡々と言葉を紡いだ。  偶々とは言ったが、瑞祥の娘は良きものを呼び、

          四話 ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける

          三話 ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける

          「嫌だ、毒婦が本宮に来ているわ」 「しっ! あまり見てはいけませんよ。呪われてしまいます」 「まったく、離宮にずっと籠っていればいいのに」  本宮に近付いただけで、妃嬪のみならず女官や宦官にもこの言われよう。  噂を放置していたとはいえ見事な嫌われっぷりだ。 (まあ、今はこの方が都合がいいのだけれど)  紅玉は面紗の中で小さく嘆息し、昨夜の黒呀との会話を思い出した。  前代未聞な紅玉からの求婚を受け入れてくれた黒呀は、そのための条件を二つ提示したのだ。  一つは中秋節まで紅

          三話 ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける

          二話 ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける

           後宮内でも外朝にほど近い質素堅実な宮。質素と言えど、壮麗で雄偉なこの宮は黒龍殿と呼ばれているこの国で二番目に位の高い者が住む宮だ。  龍湖国は白黒対の龍が治める国なので、白龍帝と黒龍帝の二人の帝が皇帝として立つ。  建前上は同等の存在とされているが、皇帝が二人いては混乱を招くため白龍帝を第一位、黒龍帝を第二位の権力者と定めていた。  いっそ国を二つに分けてしまえばいいのだろうが、二つの龍の血は混ざりあい皇族に受け継がれている。  二分しても両方の国で白龍帝と黒龍帝が現れるこ

          二話 ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける

          一話 ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける

          あらすじ 天に御座す黄龍帝が創りし中つ国には、白、黒、赤、青の四龍が治める国がある。 中でも特に広く豊かな大地を持つ龍湖国は、白黒対の龍が治める国だ。 龍帝と婚姻し地上に恵みをもたらす瑞祥の娘として生まれた李紅玉は、その力を抑えるためまじないを掛けた状態で入宮する。 だが事情を知らぬ白龍帝は呪われていると言い紅玉を下級妃とした。 それから二年が経ちまじないが消えた。 だが、すっかり白龍帝の皇后になる気を無くしてしまった紅玉は他の方法で使命を果たそうと行動を起こす。 そ

          一話 ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける

          私の執筆履歴⑤

           アルファポリス様で開催された『第15回絵本・児童書大賞』で奨励賞を頂いた後。  今まで全くかすることもオススメされることもなく少々鬱々とした気分でいたのですが、運気が上がってきたのでしょうか。  毎月のように何かしら嬉しいことが起こりました!  記録という意味でも一通り書かせて頂きます。 一月 アルファポリス 『第15回絵本・児童書大賞』奨励賞    ノベマ! いいねキャンペーン三位 二月 エブリスタ 溺愛彼氏特集掲載 三月 スターツ出版ノベマ! 今読みたい作品へ掲載

          私の執筆履歴⑤

          現代もの大人恋愛小説の魅力とは?

          この記事を書くきっかけ 世の中には様々なジャンルがあり、それぞれの素晴らしさがあります。 でも、自分には合わないな。どこが良いのかわからない、なんてジャンルもあるでしょう。 私も今回題材にした現代ものの大人恋愛に関しては、読む分には良いのですがいざ書こうと思った場合『書きたい!』となれるほどにはときめきが無く……。 でも、SNSで見る書影や宣伝、お話などを見るととても素敵で、書かれている方々もとても楽しそうに書かれていて……私も書いてみたいなぁと思っていました。 とい

          現代もの大人恋愛小説の魅力とは?

          私の執筆履歴④

          第15回絵本・児童書大賞  アルファポリス様にて創刊されたきずな文庫。  アルファポリス様は様々なジャンルの作品を世に送り出しているのでいつか創刊するだろうと思っていましたが、他の児童文庫には見られないアルファポリス様らしい作品を出されていました。  そんなきずな文庫を含むwebコンテンツ大賞『第15回絵本・児童書大賞』。  創刊されたばかりでどんな方向性の作品が求められているのかも分かりませんし、とりあえず既存作品二つと突発的に書きたいなと思った作品を応募してみました。

          私の執筆履歴④

          受賞作『うた×バト』のヒミツ

           こんにちは!  今回はちょっと去年アルファポリスwebコンテンツ大賞【第一回きずな児童書大賞】にて優秀賞を受賞した『うた×バト〜思いは歌声にのせて〜』についてちょっと語りたいことがあったので記事にしてみました。  干支にまつわることだったので、是非この年の変わり目にお話したいなぁと温めていました。  なんて言いつつ大したことではないのですが(笑)  さて、そのヒミツをお話する前に簡単にお話の概要を。  この『うた×バト〜思いは歌声にのせて〜』は、人の歌声から感情を読み取

          受賞作『うた×バト』のヒミツ

          私の執筆履歴③

          落ち込みと迷走期間  第一回野いちごジュニア小説大賞の一次選考を通過した私。  ですがそこから先には進めず受賞とはなりませんでした。  とはいえ執筆再開前も最終選考まで行ったことは二度ほどあり、そこから落とされるという経験があったので悔しさはあっても落ち込むことはなかったです。  次の作品も書いていたので、そちらに集中しようという気持ちになれたのも良かったのかもしれません。  そうして今まで書いたことのなかった暴走族モノなどにも挑戦し、はじめて野いちごで総合一位を取るこ

          私の執筆履歴③

          私の執筆履歴②

          第一回野いちごジュニア小説大賞  さて、執筆再開しようと決めた私。  久々にちゃんと書くためには何か目標があった方がいいと思いそのとき開催しているコンテストを探しました。  そうして見つけたのが前から利用していた野いちごで開催されるジュニア向けの小説大賞。  実は私、このときの作品を書き終わるまでジュニア文庫はまったく読んだことも手に取ったこともなかったのです。  本屋さんでは棚が増えてるなーと見てはいましたが、自分が読む類のジャンルではないと思っていたので。  それでも

          私の執筆履歴②

          私の執筆履歴①

           今年もあとひと月ですね。  今年は念願の初受賞を達成出来たので、少し語ってみようかなと思います(笑) 執筆再開  学生の頃から完結は出来ないまでも小説を書き始め、約15年前WEBで公開更新することで完結まで書けるようになりました。  当初から面白いと言ってくださる読者様はいたけれど、夢でもある受賞や書籍化までには至らず書籍化出来た方々との違いなんてサッパリ分からない。  最終選考まで行ったことは二度あるけれど、受賞までは行けなくて……最終まで行った作品とそれ以外の作品の

          私の執筆履歴①

          龍の契り〜身代わりのとりかえ神和ぎ〜 第十話

          ○終  翌日、ご機嫌な竜輝がいつものように書類に目を通している側で、梓は変わらずスーツに身を包み控えていた。  神和ぎが梓であることはまだ竜輝と砂羽しか知らない。  竜輝はすぐにでも公言し梓を花嫁として迎えようと思っていたらしいが、砂羽がそれを止めたからだ。  梓が初めから巫として嫁いで来ていればなんの問題もなかったのだが、身を偽って覡の側近として仕えに来てしまった。  そんな状態で実は招ではなく梓だった。側近ではなく花嫁だったということになればただでさえ混乱を招く。  そ

          龍の契り〜身代わりのとりかえ神和ぎ〜 第十話