📖読書記録📖『図書室のキリギリス』
読書紹介記事を書く青沼りんです📗
今回は、高校の図書室を舞台に新米学校司書が本に隠された秘密を解き明かすビブリオミステリーをご紹介したいと思います。
●今回ご紹介する本『図書室のキリギリス』
竹内 真
発行所 株式会社 双葉社
2013年6月19日 発行
●あらすじ
夫が失踪して3年が経ったことで離婚が成立し、友人の紹介で高校の図書室で学校司書の仕事を始める事になった詩織。
そこにはお茶目な校長先生や司書教諭の資格を持つ英語の先生、詩織と同じく本好きな生徒やそうでもない生徒との交流で順調な再スタートを切る。
そんな中、学校司書の前任者が残したマニュアルにある思念を感じた詩織は幼い頃から物体に込められた思念を読み取ることができる力を使って、その思念を読み取ってしまい、思いがけない秘密を知ってしまいます。
●学校司書とは
学校図書館の運営を担う専門職員です。学校図書館法ではすべての学校に「置くよう努めなければならない」と規定されています。(第六条)地域や雇用者によって、「学校図書館司書」「学校図書館指導員」「図書館支援員」など「学校司書」以外の名称で呼ばれていることもありますが、学校司書が学校図書館法に位置付けられてから、「学校司書」に統一されつつあります。
学校司書に関してはこちらのサイトを参考にさせていただきました。↓
https://www.j-sla.or.jp/new-shishokyoyu/gakkousishotoha.html
私も読書が好きで司書という職業に興味があったので、一発でこの本を手に取りました。
物語では学校司書になった詩織を通して本の貸し出しや返却業務、在庫整理や生徒に本を読む楽しさを伝える仕事を見ることができます。
本には関心がなかった生徒も詩織がキッカケで興味が湧いたりと生徒達にも慕われるようになる詩織。
私が学生の頃は学校司書という人はいなかったので、もし詩織のような学校司書さんがいたら、もっとはやく本を読む楽しさを知ることができたのかなと思いました。
そんな彼女ですが、自身をイソップ物語に登場するなんの努力もしないキリギリスだと揶揄するシーンがあります。
でも、私は彼女の仕事ぶりや行動を見ていると無駄な動きをしない、尚且つ近道を上手に見つける要領がいい人だと思います。
また、物語の鍵となる詩織の不思議な力。
かつてのトラウマを気にしながらも、慎重かつ好奇心を抑えきれず物体に込められた思念を読み取った事で、人には言えない隠された秘密をことを知ってしまいます。
それだけには飽き足らず、そこからある思い切った行動を取ってしまう好奇心旺盛な彼女がとても面白いです。
図書館にある本を使って日常に隠された謎を時には生徒との一緒に解き明かしていくという比較的ほんわかしたビブリオミステリーです。
本好きの詩織のアイデアで本に関する図書館イベント企画を立てたりと順風満帆な再スタートを切っていたことろに、思いもよらぬ報せが詩織の元に届きます。
その報せに詩織はどう向き合うのか。
気になる方は是非読んでみてください。