📖読書記録📖株式会社タイムカプセル社 十年前からやってきた使者 新版
読書紹介記事を書く青沼りんです。
今回はやりたいことがあっても自信がない、またはこの年齢だからもう遅いと思っていても「人生は何度だって、どこからだってやり直せる」と背中を押してくれるかのような一冊をご紹介したいと思います。
今回ご紹介する本『株式会社タイムカプセル社 十年前からやってきた使者 新版』
あらすじ
45歳で仕事も家族も失った新井英雄は、横浜にある株式会社タイムカプセル社という一風変わった会社で働くことになります。
英雄が配属されたのは、個人または団体から長期間預かった手紙(タイムカプセル)を配達する中で、なんらかの理由で配達できなかった手紙の持ち主を探し当てて再び配達するという『特別配達困難者対策室』(以下、『特配』)でした。
英雄は特配の制服である全身真っ白なスーツとハットを支給され、戸惑いながらもそれに袖を通し、特配の室長である吉川海人から仕事内容のレクチャーを受けます。
それは2週間までに大阪、東京、北海道、アメリカ•ニューヨーク、再び東京を周り、合計5通の手紙を配達するというものでした。
なにがなんだかわからない英雄も戸惑いながら歳下の上司である海人についていき、配達人としての仕事を覚えていきます。
そこで出会った手紙の持ち主たちが抱える悩みや葛藤を知ることで、英雄自身も目を背けていた現実に向き合い始めるのでした。
感想
英雄が再就職した会社は預かったタイムカプセルを配達するという一風変わったサービスですが、実際に郵便局でも「タイムカプセル郵便」というサービスがあるそうです。
本作での株式会社タイムカプセル社は全身白スーツにハット、アタッシュケースに手紙を入れて、持ち主の元へ届けるというドラマチックなサービスです。
その会社で働き始めた英雄は、調査部が調べ上げた配達困難者の居場所を上司の海人と共に文字どおり各地を飛び回ります。
配達先にいた持ち主たちの反応はそれぞれでした。
夢半ばで破れて燻っていた人もいれば、成功した先で挫折した人、過去の出来事に縛られて今を生きていない人、夢に憧れ続ける人。
そんな人たちの前に、十年前に自分宛に書いた手紙が白スーツの二人組によって届けられます。
手紙を読んだところで夢は叶わない。
何かが変わるわけでもない。
夢に憧れるかつての自分に申し訳ない。
今は闇の中にいるかもしれない。
だけど、なにかのきっかけでそこから抜け出すことがいつか必ず起こる。
本書での手紙は、闇の中にいる人たちにとっての希望の光だったのです。
「人生は何度だって、どこからだってやり直せる」
過去にした「失敗」も、「未来のための学び」に変えられる。
夢を追うことに手遅れも年齢も関係ない。
叶えたい意欲とあればいつだって誰だって叶うことができる。
そんな人を応援してくれる一冊ではないかと思います。
とても素敵な本でした。