【読書メモ】波頭亮『論理的思考のコアスキル』15
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第II章 論理的思考のコアスキル 1「適切な言語化」スキル
過不足の無い言葉の選択
→思考の対象となる事象を正確に表す言葉を探し選択する自然言語の持つ多様性
正確な言葉探しは、意外に厄介な側面がある
ネコの例:人懐っこい面もあり、人に懐かない面もある
→ネコですら、多様な意味内容やイメージを持っている
→「ネコは人懐っこい動物であり、人に懐かない動物である」は、論理を展開する上で混乱や誤謬をきたす原因となる
しかし、多様性があるからこそ、豊かで広がりを持った論理展開が可能になる
→ある1つの思考対象が持つ意味内容が1つに限定されていないからこそ、様々な知識と繋がり得る言葉の多義性から生じる論理矛盾を避けようとすると、命題の意味内容を一義的に限定する数学的思考しか成立しなくなる
→正確かもしれないが、厚みも豊かさも実感もリアリティも伴わない無味乾燥なものとなる豊かな広がりを持ちリアリティのある、しかも論理的妥当性の高い思考を行うことができるのか?
→ある思考対象の言葉と照らし合わせて繋げる知識要素のジョイント部分とその他の部分の意味内容を注意深く把握しながら論理を展開する
言葉は、表面的には文字や音によって表される記号
また、万人が共有しうる記号的側面と、様々な広がりを有する意味的側面といった2つの面が合わさったもの
シニフィアンとシニフィエ
シニフィアン:表記(一義的)
シニフィエ:意味内容(不定形。一義的に定まらない)
シニフィアンから想起されるシニフィエは、ある程度世間一般的な共通認識は認められる
→適切な言語化においては、シニフィエの内容としてどのようなものが世間一般的に認められ得るのかということを意識・認識しておくことが非常に重要となるある言葉を別の表現で喩えたり、他の物事と比較したりして説明する際にも、シニフィアンとシニフィエの理解が役に立つ
→ある言葉が持つシニフィエと他の言葉が持つシニフィエと重なりを保つ場合、コロケーション(言葉の繋がり)やアナロジー(たとえ)を有効に活用できる