横井也有の『鶉衣』に「嘆老辞」があります。リンク先の全文に目を通すとわかるのですが、歳をとってしまうと友達は亡くなり、若い人たちと楽しもうとしても若い人たちの流儀がわからず、身体も衰え、若い人たちから疎まれている様子をみると、上手に老いることの難しさを感じます。
しかれば、人にもうとまれず、我も心のたのしむべき身のをき所もやと思ひめぐらすに、わが身の老を忘れざれば、しばらくも心たのしまず。わが身の老を忘るれば、例の人にはいやがられて、あるはにげなき酒色の上に、あやまちをも取出でん。されば老はわするべし。又老は忘るべからず。二ッの境まことに得がたしや。(『鶉衣』「嘆老辞」)
『徒然草』『ラ・ロシュフコー箴言集』『鶉衣』を読んでみて、昔の人は年寄りを尊敬しているイメージだったのですが、そうでもなくて驚きました。それと同時に、人生の引き際を見定めることの難しさも実感しました。
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