昔の人は年寄りに優しいのかと思いきや、意外にも手厳しい。しかし、自戒の意味で彼らの言葉を心に留めておきたいと思います。
住み果てぬ世に、みにくき姿を待ちえて何かはせん。命長ければ辱(はじ)多し。長くとも四十(よそじ)に足らぬほどにて死なんこそ、めやすかるべけれ。
そのほど過ぎぬれば、かたちを恥づる心もなく、人に出でまじらはん事を思ひ、夕の陽(ひ)に子孫を愛して、栄(さか)ゆく末を見んまでの命をあらまし、ひたすら世をむさぼる心のみ深く、もののあはれも知らずなりゆくなん、あさましき。(『徒然草』第7段)
93 年寄りは、悪い手本を示すことができなくなった腹いせに、良い教訓を垂れたがる(二宮フサ訳『ラ・ロシュフコー箴言集』 p.36)
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