【読書メモ】波頭亮『成熟日本への進路』14
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読書メモ
II 経済政策の転換
三 産業構造をシフトする2つのテーマ
新しいヴィジョンを実現していくための経済基盤を構築するための主たるテーマ
→産業構造のシフト「産業構造のシフト」には二つの大きなテーマがある
医療・介護サービスを担う産業内需型主力産業として拡張すること
国際競争力のある高付加価値型の輸出産業を育成すること
医療・介護サービスの拡充
社会保障機能については、日本は先進国中かなり低い水準にとどまっている
医療介護についての最大の問題は、看護師や介護職員の不足
「年金・生活保護」と「医療・介護」の性質の違い
年金は若い世代から高齢者世帯への所得移転
→社会福祉的性格の制度にシフト(負担力のあるものから9時を必要とする者への所得移転)
→同じ意味を持つのが、生活保護の拡充や失業給付の充実
「産業構造のシフト」という観点から医療介護サービスの拡充というテーマを見てみる
医療分野での雇用創出:250万人
介護分野での雇用喪失:130万人
国民が医療・介護に関して不安なくサービスを受けられる体制を目指すのであれば、380万人の雇用増を要することになる
医療・介護サービスを主力産業として育成・拡充する方法
規制緩和
労働条件の改善:現在の月額給与水準を最低でも1.5倍程度にする(他の職業とのギャップを埋める)
医療・介護産業の育成政策がハコモノ政策にならないように気をつける
感想
医療・介護は、いわゆるエッセンシャル・ワークで、(感情労働を含む)労働の割に給与が少ない状況です。それを知っているからこそ、みんななりたがらないのが現状だと思います。
医療・介護に従事する方たちの給与を上げれば、医療費に跳ね返ってきて、経済的弱者が適切な医療を受けられなくなる事態も生じる可能性があります。
負担に関して不平等感がない、公平な税金政策が待たれます。
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