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【読書メモ】波頭亮『成熟日本への進路』25

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読書メモ

III 仕組みの改革

二 官僚機構を構築している四つのファクター
(1)行政裁量権とデータの独占による「実質的な政策決定権」

  • 補助金や許認可権
    →官僚のパワーの最大の根拠の一つ
    →国会で法律をつくっても、現場の担当行政官がハンコを押さない限りは何も実現しない

  • 日本の行政裁量の範囲は、効率化の範囲を超えている

  • 現場の担当者に大きな裁量の範囲があると、政策は利権のネタになる

    • 利権といっても、カネではなく気分(威張る利権、お追従を言ってもらう利権、気に入らないものをいじめる利権)
      ※リスクが伴うカネの利権よりも、多くの行政官が日常的に享受しているのが気分の利権

  • 現場を掌握している官僚機構が、一次データを握っている

    • 様々な編集、加工が施されている場合も少なくない
      →様々な試算のテクニックを駆使する
      →例:大小様々なジニ係数

感想

「気分」の利権の指摘はさすがだと思いました。「多くの人は人格も優れている」(p.200)と書いてあるのですが、矛盾しているようにも見えます。やはり、人格が優れた人物でも、権力をもってしまうと、気分の利権を求めてしまうものなのでしょうか。

データの編集、加工という話は、改ざんというわけではなさそうです。外れ値の処理などで、目的に合う数字を算出している、ということでしょうか?

「判断のもとになるデータを握り、現場は気分で動かない」 ― これだけで十分だと思いますが、まだまだ、あと3つのファクターがあります。



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Tomoko Nakasaki(中崎 倫子)
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