母は発達障害全般に否定的だった
友人の助言もあり、わんこくんを家族に会わせる前に、母と妹に、彼はADHDだと伝えた。
私は、ADHD自体には肯定・否定どちらの気持ちもなかった。ただ、付き合って日が浅いので、熱病中の私が大きな地雷を見逃してしまっていないかどうか、親族に客観的な感想を聞きたかった。
それから、ここ最近は彼にモヤモヤすることが多かったので、彼のコミュニケーションに違和感がないかどうかも見て欲しかった。
で、母とのLINEのやり取りはこんな感じ。
この頃、甥っ子がADHDの多動性の疑いがあって、弟夫婦と私の両親がピリついていたこともあり、発達障害の話題は印象が良くなかった。ただ、母は発達障害を持つ人と出会った経験もなければ知識もなく、「漠然と印象が悪い」と思っているだけなので、私はひとまず気にしなかった。
妹は何とも思っていなかった
そして、10歳以上、年の離れた妹の反応はこうだ。
妹は、発達障害だからと言って、どーのこーの言うタイプではない。ADHDの知人が何人もいるからか、良いも悪いもなく、「ふーん、そうなのかー。一緒にいると、色々大変ではあるよねー!」「そのエピソードはADHDあるあるよねw」という明るい反応だった。
まぁ、なんか変わってるけど、それが面白いし、別に害はないし、普通に生きてりゃもっと変なヤツと山ほど出遭うしな!というのが私たちの考え方だった。
後から、わんこくんに「ご両親には、ADHDのことは言わないで」と言われた。やべ、もう話しちゃった…。
職場でも公言しておらず、気を張って「普通の人」を演じているんだって。「ADHDだと知られると、ナメられたり不利になる。おれの実力で仕事をしたい」と言っていた。ふむ、なるほど。言っちゃったことは秘密にしとこ。すまん。
私の家族なのに
妹には結婚を約束した恋人がいたが、この頃、破談になってしまった。相手の男性に問題があったらしい。私は、わんこくんにそのことを少しだけ話していた。両親への挨拶を目前にして、いつもの長電話で彼がこんなことを語り出した。
妹が不幸な子扱いされたことは、姉として不愉快だった。悲劇かどうかは本人が決めることであって、わんこくんが決めることじゃない。余計なお世話だ。
キツい表現だから避けたけど、君はまだ「赤の他人」なんだから、もっとわきまえた方がいい。
彼は思ったことをすぐ口に出してしまう。それが良いところでもあり、悪いところでもある。
ほう、さよか。それなら安心だ。
わんこくんが誰かと接している様子を見たことがないから、社交性があるのかどうかは分からない。でも、彼は「誰々にコミュ力が高いと言われた」とか「商談では、その場の空気を瞬時に読んで、必要とされているポジションを演じている」とよく言っていたので、周りからはそれなりにコミュ力を評価されているみたい。まぁ、よしなにやってくれるだろう。
―― 私のメンタル崩壊まで、あと143日 ――
りん