見出し画像

#29 彼氏がADHDだと知った時の家族の反応 【マッチングアプリで出会ったモラハラ婚約者と別れた話】

母は発達障害全般に否定的だった


友人の助言もあり、わんこくんを家族に会わせる前に、母と妹に、彼はADHDだと伝えた。
私は、ADHD自体には肯定・否定どちらの気持ちもなかった。ただ、付き合って日が浅いので、熱病中の私が大きな地雷を見逃してしまっていないかどうか、親族に客観的な感想を聞きたかった。
それから、ここ最近は彼にモヤモヤすることが多かったので、彼のコミュニケーションに違和感がないかどうかも見て欲しかった。

で、母とのLINEのやり取りはこんな感じ。

 彼氏くんは、ADHDなんだって。
ドクターストップがかかっていて、運転は出来ない。強い薬を服用中。言われるまで気づかないレベルだから、そのせいで一緒にいて困ることはまだない。でも、周りと溶け込めているか、女性目線で見てほしい。お父さんに言うと最初から色眼鏡で見られて可哀想なので、言わないで。

 そうなんだ。分かった。ちえ(私の妹。仮名)の同級生にもいたんだけど、授業にならなくて、その子のせいで学級崩壊寸前だった。りんは子供好きだから、なんか、将来のことを考えると、遺伝とか、、うーん。

 彼氏くんは多動性とは診断されていなくて、そういった症状はなかったらしいよ。

 強い薬を飲んでいるというのも心配。なんか、心からよろこべなくなっちゃった…。でも、幸せになってほしい、と複雑です。

 んー、そうよなぁ。まぁ、とにかく会ってみて。まだ結婚を決めたわけではないし。根はいいヤツだよ。とりあえず、しゃべり出すと話が長いので、そこは覚悟してw

 まぁ、しらけるより良いのでは(笑)


この頃、甥っ子がADHDの多動性の疑いがあって、弟夫婦と私の両親がピリついていたこともあり、発達障害の話題は印象が良くなかった。ただ、母は発達障害を持つ人と出会った経験もなければ知識もなく、「漠然と印象が悪い」と思っているだけなので、私はひとまず気にしなかった。


妹は何とも思っていなかった


そして、10歳以上、年の離れた妹の反応はこうだ。

私 彼氏くんがADHDだと。注意欠如の方ね。
(これまでの彼の言動を説明し、彼が暴走した時のLINEを見せる)

 おお、そうなのか。これは結構重度だねー。
話しすぎるコミュ障なんかな。でも、話さなさすぎるコミュ障よりマシな気がするけど。私の友達にもADHDの男の子がいて、そいつ、ずっとしゃべってるんだよねー。普通にうるさいって言うw

 楽しいな、それ。その男の子の反応は?笑

 「あっ、ごめん!w」って明るい感じ。鬼ポジティブだよ。でも、きっと、お姉ちゃんの彼は「ごめんね…😞」って感じだよね。

 あはは。そうねー。本人は超ポジティブ思考だと言ってるけど、根は暗いよ!

 彼氏さんは、かなりこだわりがありそう!私の友達も色々なことにこだわってマスターしたがる。超キレイなオムライスとか、カフェラテアートとかにハマってて、典型的なADHDって感じ!!


妹は、発達障害だからと言って、どーのこーの言うタイプではない。ADHDの知人が何人もいるからか、良いも悪いもなく、「ふーん、そうなのかー。一緒にいると、色々大変ではあるよねー!」「そのエピソードはADHDあるあるよねw」という明るい反応だった。
まぁ、なんか変わってるけど、それが面白いし、別に害はないし、普通に生きてりゃもっと変なヤツと山ほど出遭うしな!というのが私たちの考え方だった。

後から、わんこくんに「ご両親には、ADHDのことは言わないで」と言われた。やべ、もう話しちゃった…。
職場でも公言しておらず、気を張って「普通の人」を演じているんだって。「ADHDだと知られると、ナメられたり不利になる。おれの実力で仕事をしたい」と言っていた。ふむ、なるほど。言っちゃったことは秘密にしとこ。すまん。

私の家族なのに


妹には結婚を約束した恋人がいたが、この頃、破談になってしまった。相手の男性に問題があったらしい。私は、わんこくんにそのことを少しだけ話していた。両親への挨拶を目前にして、いつもの長電話で彼がこんなことを語り出した。

わんこ 妹さんのことがあるから、ご両親の姉の恋人への評価は厳しいはず。きっと、どんな男を連れて来るのか心配されているから、おれは「この男なら娘を任せられる」と安心してもらいたい。行動で示していきたい。

 へ?妹?いやー、別に、私のことは心配してないんじゃない?妹と姉は別だよ〜。

わんこ いや、妹さんのことを絶対に気にしてる。同じ悲劇を繰り返したくないはず。おれには分かるね。

 うーん、悲劇ねぇ…。本当のところは私も分からないけど、私たちの家族ではないわんこくんが、私の両親の気持ちを決めつけるのって、何か変じゃない?38年も娘をやってきた私が「違う」って言ってるんだから、「そうなんだね」って一旦受け止めてくれた方が、私は話していて気持ちがいいよー。

わんこ あっ、うーん、そうか。ごめんな?余計なことを言ったかな。

 うん。思ってもいいけど、口に出さない方がいいかもね。でも、両親を心配してくれたことは、ありがとう。


妹が不幸な子扱いされたことは、姉として不愉快だった。悲劇かどうかは本人が決めることであって、わんこくんが決めることじゃない。余計なお世話だ。
キツい表現だから避けたけど、君はまだ「赤の他人」なんだから、もっとわきまえた方がいい。

彼は思ったことをすぐ口に出してしまう。それが良いところでもあり、悪いところでもある。

わんこ おれの方がリンちゃんをたくさんヨシヨシして可愛がってるし、リードしている気になってるけど、こういう時、実際には、おれがリンちゃんに「はいはい、しようがないわね」って許されて転がされているのかもって思う。笑

 あはは、そうかもね。
それより、両親への挨拶、緊張する?

わんこ そりゃするでしょ。でも、心配しないで。おれ、前も話したけど、本当は20代で婿養子に行くはずだった。色々あって破談になったけど。その時に結婚の挨拶を経験しているから、マナーはバッチリだよ。おれ、社交性もあるし、ちゃんと場の空気を読んで会話に参加するよ。完璧にこなすから、任せて。


ほう、さよか。それなら安心だ。
わんこくんが誰かと接している様子を見たことがないから、社交性があるのかどうかは分からない。でも、彼は「誰々にコミュ力が高いと言われた」とか「商談では、その場の空気を瞬時に読んで、必要とされているポジションを演じている」とよく言っていたので、周りからはそれなりにコミュ力を評価されているみたい。まぁ、よしなにやってくれるだろう。


―― 私のメンタル崩壊まで、あと143日 ――


【今日のわんこ語録】
「実際には、おれがリンちゃんに『はいはい、しようがないわね』って許され転がされているのかも」
「一度、結婚の挨拶を経験しているから、マナーはバッチリだよ」
「おれ、社交性もあるし、ちゃんと場の空気を読んで会話に参加するよ」


りん

この記事が参加している募集