エッセイ | 燕の子 | #虎吉の毎月note
燕の巣ができ始めました。
幼少の頃から大好きな光景です。
毎年、同じ場所に巣が作られるので気付きやすく、毎日通る場所であれば一瞬の観察も楽しく、燕の子たちの成長を見守ります。
同じように思う方が多いのでしょう。
毎年、燕の巣の下では多くの人が足を止めスマートフォンで撮影しています。
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燕は天敵から雛を守る為に、烏や蛇がこない人間の生活圏に巣を作ります。
燕の巣は商売繁盛の縁起物でもあり、動物と人間との共存を大事に思う店舗や施設では、糞対策で巣の下にダンボールを付けてあげたり、真下の床に三角コーンで注意喚起をしたりで、それは守られています。
燕が巣を作り始めたらすぐに壊す施設もあります。糞や羽がたくさん落ち不衛生だからです。
ある保育園で子ども達が見守る中、用務員さんが巣を壊しているのを見かけたことがあります。燕の成長を見せてあげるのも教育と思っている私はとても残念に思いました。
鳥獣保護法では、卵や雛が確認されたらそれはもう触ってはいけないので、巣のでき始めに壊さなくてならないのです。
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毎年、燕の巣ができる何ヶ所かを楽しみにしています。もうすぐ巣は出来上がり、産卵、孵化するでしょう。巣は高いところにあるので、雛が顔を出すまでわからないのが少しもどかしいです。
そして雛は成長し、親鳥に促され羽ばたく練習を始めていることを見上げるのを最後に、ある時、忽然とその姿はなくなります。
そして、静かになった空っぽの燕の巣を見上げて、嬉しいと寂しいが入り混じる気持ちになり、巣立った燕の子たちの無事を祈るのです。
虎吉さんの企画に参加させていただきました。どうぞよろしくお願いします。