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部屋にいたの | #誰かに言いたくなる恐怖体験

もうずいぶん前のこと…
友人と二人である島を旅した時の出来事です。

古いホテルでした。
部屋は和室でとても広くトイレはもちろん、別でお風呂までついていました。

部屋に通され、これから靴を脱ぐとき、部屋の壁に大きなゲジゲジをみつけました。

私は素早くスリッパを持ち、靴を脱ぎ捨て、ゲジゲジの壁に向かって走りスリッパの裏を叩きつけました。こんな大きなゲジゲジがいたら、布団に入ってきてしまうかもしれない。寝るのが怖いと思ったからです。

友人は
「やめて!いいじゃん虫くらい!」

と叫ぶのです。

「え!ダメだよ!寝られない!!」
結局、私はそのゲジゲジをやっつけました。

その時は気が付かなかったのですが、友人の様子がおかしいことに徐々に気づきはじめます。

お風呂に先に入る私に友人は言いました。
「ドアを開けたままでもいいよ!」

ん?変なこと言うな…
これはおかしいぞ…

「え?大丈夫だよ?閉めて入るよ~」

この変な会話の後、私は怖くなってきました。絶対にこの部屋に誰かがいるのだと確信しました。その友人は強い霊感があり、これまでも色々な体験をしてきたのです。

友人には大丈夫と言ったものの、どこにいるのかわからない霊に怯え、ゆっくりお風呂にも入れず、カラスの行水状態で入浴を終え、友人と交代しました。

「お風呂のドア開けておいていい?」

やっぱりおかしい!
いるんでしょ?
いるんだよね?!

でもそうは聞くことが出来ませんでした。

旅行ですから、少しでも楽しい時間を過ごそうと思ったのです。

友人は本当に風呂場のドアを開けたまま入浴しました。短い廊下があるものの、和室から丸見えです。もちろん見ませんけれど。

怖いのは風呂だけでは済みませんでした。友人は、部屋の照明をつけっぱなし、テレビをつけっぱなしで寝ていいかと聞くのです。

あ~!!
決定的でした。

いるんだね!
いるんだよね?

でもやはりそう聞くことは出来ず、

「いいよ」

と、言ったものの、テレビも照明もつけっぱなしで寝られるわけがありません。眠れないので、友人が寝息をたてて眠っているなぁと確認してから、テレビも照明も消して眠りました。

でも少したつと目が覚め、消したはずのテレビも照明もついているのです。友人がつけたのです。

また寝られなくて、少しして友人が寝たことを確認し、テレビも照明を消す…

これを2回繰り返し、私は暗い部屋で眠ることを諦めました。よほど怖いんだな…

お化けめ!どこにいるんだ!
こわいんだよ~~~

一泊旅行だったので、翌朝になると気持ちが楽になりました。

お化けとサヨナラだ!

ホテルをでて、観光している時に友人に聞きました。

「いたんだよね?」

「うん」

「どこにいたの?」

「ゲジゲジがいた壁に立っていたの」

ひ~~~

私はお化けをバンバンスリッパで叩いたことになる!!なんてことをしちまったんだ!!

友人はホテルに入ってすぐ、広くて長い廊下で、それを感じたと言います。部屋に入る前から感じていたのです。

気を使って言ってくれなかったのだろうけれど、めちゃくちゃ怖かったんだからね!次に一緒に旅行するときは、お化けがいるって言ってよね〜

私に霊は見えませんでしたが、見えないのにいるんだね??って、恐怖がとてもつらかったある一夜の話でした。

その後、その友人とサイパンへ行きましたが、ホテルの部屋に入ってすぐに

「いる?」

「いない」

「ほんとだね?!」

とやりとりがあったことは言うまでもありません。


Mr.ランジェリーさんのお題に参加しました。
いつもありがとうございます。

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