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Toronto Wolrking Holiday[5]

・Halloween

 トロントに来て一か月ほどが経過した。そろそろハロウィーンである。街中にはいたるところにジャックオランタンが配置されており、なぜかストレンジャーシングスで、畑の食物がどんどん腐っていくシーンを思い出していた。(カナダでの英語勉強法は、ストレンジャーシングスを英語字幕で繰りかえし見るでした。)
 ある日、それまでにだんだん出来てきたカナダ人の友人にハロウィーンはどう過ごすか聞かれた。私は、渋谷ハロウィーンというこの世の終わりのようなものしか知らなかったので、当然家でゆっくりと過ごそうと考えていた。彼が言うには、大通りで、仮想をして皆お菓子を配りながら練り歩くという。一緒に行こうといわれ、「考えておくね。」と軽く返事をして、私はそれ以降返事をしなかった。私は根暗なので、やはりそのようなはしゃがなければいけないイベントや物事は好きではないのだ。海外へ来たそのテンションを持ってしても、私の根暗はどうにもならなかった。
 その晩、私はバニラウィスキーという、甘いウィスキーを買った。自宅にて、日本酒でいう燗をするように、そのウィスキーを湯煎し、一本まるまる空けてしまった。前の酒の失敗から何も反省していないのだ。その夜はそれはそれは楽しかった。皆も周りに流されなくてよいのだ。酒がいいか悪いかは別であるが。

・トロント遊園地

 順番が少々前後するのだが、自分の写真を確認するところ、10月29日トロントでできた友人とCanada's Wonderlandに向かうことになった。どうやらその期間は遊園地全体にゾンビやお化けの類がぞろぞろといるそうで、(いわゆるユニバ的なもの)行ってみようという話になった。ダウンタウンから少し距離が離れており、都心からは時間がかかるのだが、実は私が当時住んでいた家からは案外近かったのだ。すぐに現地に到着した。
 到着すると、まずデカデカかCanada's Wonderlandの文字が、、。何もかもがでかい、、入り口を入ったところに恐竜のようなものもいた気がする(嘘かも)。一目でこれは、日本でいう富士急ハイランド的な立ち位置の遊園地であることが分かった。首が痛くなるほど見上げなければ、ジェットコースターの最高到達地点が見えないのだ。生唾を飲み込み、いざ入園。

・Ghost

 遊園地に入るなり、至るところに、斧や鎌やらを持ったお化け?ゾンビ?たちが、うじゃうじゃと湧いているではないか。そして、仮装をしている人もいるため、一般人と園内のお化けの違いが分かりづらい。見た目もかなりリアルなわけである。
 アトラクションに向かおうと歩いていると、待ち伏せるかのようにお化けたちが、、。彼らは日本の遊園地と違って普通に接触してくる。寸止めなど知らぬのだ。私はあまりお化け屋敷なども得意ではないので、すごく怖かった。自然と彼らに見つからぬようにこそこそと歩いてしまいました。そしてなにより、この期間中は街灯が少ない、というか点いていない。とても暗い空間で怖がりながらアトラクションに向かった。

Yukon Striker(ユーコン・ストライカー)

 いくつかアトラクションに乗ったが、覚えているのはYukon Strikerというジェットコースターである。実は、このジェットコースターはギネス世界記録を3つも持っているのである。発車してすぐに目の当たりにする直角にダイブする、ということで。外から見ても直角というか、90度を超えているというか、、。ちなみにその3つのギネス世界記録がこちら

1. 世界最速(130 km/h)
2. 世界最長(1,105 m)
3. 世界で最も高低差がある(地下含む)(75 m)

 そう、直角ですら恐ろしいのに、世界最速かつ世界最長という訳の分からぬジェットコースターなのである。ちなみに、その中でも一番前というのは、直角をダイブする際に、目の前が崖というか落下するような気分というか、ということで1番前に乗りたい人が並ぶレーンがある。我々はそこに並んだ。ちなみに私は、絶叫系アトラクション大好きだが、流石にビビっていた。乗ってみると非常に楽しかったが、2回乗ろうとは到底思えなかった。

・Part Time Job

 トロントに来て1ヶ月。金が尽きた。もともと10万円弱しか持ってきていない。かつ帰りの航空券を買わないという。自分のハングリー精神を呼び起こす旅だったので、当然といえば当然なのであるが、これは困った。私は、ワーキングホリデービザだったので、働くことにした。
 まずは、ネットの海に転がっていたテンプレートを使って履歴書(レジュメ)を書いた。なんか日本のものに比べてかなり簡素というか。

resume

  こんな感じの、かなり適当なというか、、なんというか、、。まあこれを持ってあるファストフード店の門をたたいた。なんと採用。日本人はいなかったが、アジア系のお店であり、米を炊いたり、調理したりとホールではなくキッチンだったと思う。なぜこんなに曖昧な答えかというと、2日でクビになったからである。
 2日目を終え慣れない言語での労働は大変だな、と着替えていると、オーナーに呼び出された。英語がスムーズでないこと。つまりコミュニケーション能力が日常会話レベルだと大丈夫だが、働くとなると厳しいということだった。今でも覚えている。彼の第一声を。「You're fired」。ドラマでしか聞いたことがなかった。そして路頭に迷うのである。
 しかし、ここから本当の意味で私のハングリー精神を燃やすトロント生活が始まるのである。

次回「Busker(バスカー)」


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