本が読めるようになった(2)
安定薬は「社会に適応する」ためのお薬
ラモトリギンは精神安定薬である。
その名の通り、僕の精神も飲み始めてから安定している実感がある。
でもこの安定は、本来上下しやすい性質の自分を無理やり抑え込んで作り変えている感覚があり、けっこう窮屈さも感じる。
10年前に初めて飲んだ時も同じことを思った。
この薬がすごく効いたおかげでサラリーマンを続けられたのだけど、「これは自分をサラリーマン向きの人間に改造する薬だな」という感覚もあった。
元々僕は楽しいことが好きで、わーっとはしゃいだり走り回ったりするのも好きで、思いついたことをすぐにやりたい方で、同じところにじっとしていられないような落ち着きのない人間。
一つのところで淡々と同じ仕事をするのにはまったく向いていない。
人と一緒に仕事をするのも向いていない。基本は個人プレー。
スポーツも、多人数でやる競技はまったくできない。人といると気を遣ってしまい頭が働かないのだ。
水泳やマラソンなど個人プレーのスポーツはできる(というかむしろ得意)。
こういう人間は、これはこれで良いところもあるんだけど、サラリーマンには向いていない。
躁鬱の気分の上下で沸き起こる極端に強い感情、喜びや悲しみや怒りなどのエネルギーは、例えば芸術家には向いているのかもしれないけど、それを抱えながらサラリーマン生活を続けるのはとても苦しい。
なのでその特性を抑え込んで、自分をサラリーマン向きの性格に作り変える薬。
それがラモトリギンを飲んでみた感想である。
たぶん量が多かった
前述の通り、ラモトリギンは10年前から一時期飲んでいた。
最初はすごく効いたけど、だんだん鬱に戻っていって、そのたびに量を増やし、最終的に75mgまで増やしたけど、結局その「窮屈さ」に耐えられずにやめてしまった。
おそらくだけど、75mgは自分には多すぎた。
今25mgでこれだけ効いているのだから、たぶん量はこれで十分なのだと思う。
当時は会社の人間関係でかなりのストレスがあった上に、今のようにプールで思いっきり泳いで発散するという解消法も持ってなかった。
ひたすらストレスを貯め続けて、解消法と言えば深夜ダラダラと一人で酒を飲むくらい。メンタルに良いわけがない。
ラモトリギン25mg。
プール。できれば毎日。
生活リズムを整える。
これだけをとにかく心がけて、立て直していきたい。
とにかく薬が効いてくれてよかった。
元気な自分が戻りますように。
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