見出し画像

この木を見てくしゃみが出たら!?気になる海外の花粉症事情

北ドイツの港町、ハンブルクもいい季節になりました。晴れていたかと思えば雹(ひょう)や霰(あられ)が降る典型的な「4月の天気」の日もありますが、サマータイムになって時計の針は1時間後ろに倒れ、外は20時過ぎまで明るくなりました。シジュウカラやモリバトも巣作りのための小枝をくわえて忙しそうにしています。

ついに春が来たのです。

ところが最近、また咳をしたり、くしゃみをしたりする人を良く見るようになりました。

コロナではなく、花粉症です。
花粉症は「日本の国民病」ではなく、実はグローバルな病気なのです。

日本人の2人に1人、ドイツ人の5人に1人

「花粉症環境保健マニュアル2022」によれば、日本人の花粉症の有病率は1998年が19.6%、2008年が29.8%、2019年は42.5%と約10ポイントずつ増加し、今では、国民の約2人に1人がこの病気に悩まされています。

中でも、スギ花粉症は増加しており、2018年の時点で人口の38.8%と3人に1人がスギ花粉症でした。イネ科やブタクサの花粉症も増加していて、2019年には25.1%だったというので、スギの花粉症との重複があるとしても、意外にスギ以外の花粉症の人も多いことが分ります。

ドイツでもこの20年ほどで、花粉症患者が増えているそうです。ドイツにおける花粉症患者は人口の15%とも20%とも言われ、日本ほどではありませんが大きな問題となっています。

日本でも今年は「スギ花粉の飛散量が過去最大規模」とのことで、多くのニュースになっていますが、ドイツでも今年は特に花粉症患者の受診や市販薬の売り上げが増えており、例年にも増して花粉症のニュースをよく見ます。

原因はスギやヒノキではありません。

と言っても、

ここから先は

2,840字 / 2画像

医学に関するデータやその解釈をいつも最新にアップデートしておくことを通じて命や健康を守りたい、という方に強くおススメできる定期購読マガジンです。

noteでわたしが書く記事が大体ぜんぶ読める基本のマガジンです。継続的に執筆を応援してくださる方、わたしの書いた記事を大体ぜんぶ読みたい!…

内容の詰まった記事を更新していきます。「文系女医の書いて、思うこと。【スタンダード】」とだいたい同じ内容ですが、こちらを購読して応援していただけるととてもうれしいです。

「文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】」はわたしが書くすべての記事を読みたいという方、定期購読で応援してくださる方向けです。執…

正しい情報発信を続けていかれるよう、購読・サポートで応援していただけると嬉しいです!