難民×日本社会-WELgeeにインタビュー-
*この記事は全文公開です
難民の日本社会での活躍を手助けするNPO法人WELgeeの広報である林さまにインタビューしました!お時間をとっていただきありがとうございました。
WELgeeは日本に逃れてきた難民と企業をつなぐ橋渡しをしているNPOです。日本での生活基盤の安定を支援するため、様々なプログラムを提供しています。
インタビューのきっかけ
私の地域には公差点という、多様な声が対等に発せられる舞台をもつ場所があります。そこではアフリカや南米から移民として訪日した外国人の方たちに日本語を教えるボランティアをしています。彼らのしている仕事は介護や工事労働者が中心で、日本語にも苦労していると聞きます。最近では円安の影響で母国への送金も思うようにならないそうです。
また、お手伝いをしている子ども食堂に食べに来るネパール人や中国人の高校生と友達になり、親について日本にやってきた子どもたちも想像より身近にいると気が付きました。
そんな彼らに対し、私がサポートできることはあるのか?どんなアドバイスを紹介していけるのか知りたかったため、今回インタビューの時間をいただけることになりました。
途上国での支援ではなく、日本にいる外国人支援を選んだ理由は
たまたま出会ったがかわいそうではなく、本来のスキルが活かされていないことが残念だと思っていた。状況で難民となっても、母国では医師やエンジニアなどで高いスキルを持っている人は多い。
スウェーデンに留学していたとき、シリアから難民として逃れてきた人がいた。その人の「人としての美しさ」や「生き様」が忘れられずこの仕事を選んだ。オンラインで学べる時代だが、現地に留学する意義とは
留学した当時のスウェーデンは難民危機に直面した年だった。
受け入れのキャパが超えてしまい、批判も絶えなかった。
それらの状況に対し、報道や映像ではわからない、人々が何を感じているのか、これからどう変わっていくのかというようにミクロの視点で考えられたのは大きい。そこで得た気づきや心が動いた瞬間をアウトプットすることで自分の成長につながる。
(地球の歩き方というガイドブックには「EU加盟後の難民・移民受け入れで犯罪は増加している」と注意書きがあります)
日本の難民受け入れについて
ウクライナ侵攻で話題になっているがやはりヨーロッパやアメリカなどの他の先進国に比べて格段に少ない。日本が孤立した島国で国民の反感が根強いのもあるが、一番は安全保障の面だろう。難民と謳ったテロリストもいないことはない上、日本の安心があるのはこういった外に厳しい対応によるものが大きい。難民の中には身元を保証できない人もおり、入管で長く過ごす人もいる。
入管は問題に上げられがちだが、一つの情報で物事を決めつけるのではなく、視点を変えて見る習慣をつけてほしい。
ここは難しい問題なので興味があれば調べてみるとよい。
親子や子供でも同じように支援することはできるのか
(子供の場合、学校や生活費は)
WELgeeでは直接的な支援は行っていない。
ただ、子どもの成長にはまず家長の安定が必要である。生活基盤が第一に整っていなければ、その日暮らしのような生活をしている人々にとって教育は後回しになってしまう。スキルを身に着け、仕事の紹介をしたりやビザ獲得のサポートをしている。
実際に始めるのならば事例を作ってそれを広げていくのがよい。
新しいこと/問題に挑戦するとき、
なぜこうなってしまったのか?
一番の問題は何なのか?
のように掘り下げて考え、解像度を上げていくと次が見えてくる。
いくつかの子ども食堂を手伝っており常にパントリーなどが余っているが、どのように周知していけば外国人の方へも届けられるのか
(口コミでは言語の壁で日本人にしか広がらない)
大きな団体がどうやっているかなど事例を探すのがよい。
到着直後の人々は生き延びるために、入管・教会・日本語教師のもとにいることが多いため、関係者とコネクションを持っておくことも大切だ。
例えばドイツの団体は「難民ホームステイ」という一般の人々とマッチングさせる事業をやっている。日本にないものに挑戦するときは海外の事例を探してみることもおすすめだ。
私が考えたこと
難民と直接かかわったことのない私は、本来はそうなるはずではなかったという状況をニュースで見るたびに「かわいそう」「でも自分でなくてよかった」と、どこか違う世界を生きている人びとを傍観しているような気分でよくないと思っていながらもほっとしていました。だからこそ、特に影響を考えずに「難民を受け入れない日本政府はひどい」と一方向からの視点に凝り固まっていました。でも、ただ受け入れるだけでは混乱を招き、日本語ができない難民の方にも苦しい思いをさせるかもしれない、そういった状況を知らずに批判していた自分が恥ずかしくなりました。
日本は島国だから、外国人差別が絶えない。日本で活躍できる可能性は少ない。確かにこういった状況はあるし、それが日本の受け入れ数が少ない一つの要因になっていることは間違いないです。そうならば状況を誰かがしっかりと伝えて、国民を納得させられるような説明が必要だと私は考えます。 そして難民の方たちが日本社会に適合できるようにする支援はWELgeeのような団体が広げていってくれるでしょう。あとは私たち、一般の社会の中核をになっている人々が受け入れる姿勢、ほかの日本人とまったく同じに接しなくとも相手を尊重し、「和」の心で配慮していくことが求められていると思います。「お節介」で終わらせては相手の成長につながりません。成功事例を参考にすることはもちろん、自分なりに考え、試していく、そんな姿勢を忘れずに挑戦し続けたいです。
最後になりますが、インタビューに答えてくださった林さま、私にWELgeeを紹介してくださったアラウネさま、ありがとうございました。
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