学習支援の現場の声をお聞きするボラカフェを開催しました!
こんにちは。
noteを開いてくださり、ありがとうございます!
立教大学ボランティアセンターの学生コーディネーターです。
今回は池袋キャンパス4年のナギサが担当します!
6月29日(木)に新座キャンパス、7月5日(水)に池袋キャンパスにて、生活困窮世帯の子どもを対象にした学習支援事業「アスポート」を運営されている「一般社団法人彩の国子ども・若者支援ネットワーク(通称:アスポート)」のスタッフの方々をお招きして「ボラカフェ」を開催しました!
「ボラカフェ」とは?
そもそも『ボラカフェ』は、ボランティア・カフェの略称なのですが、「カフェのようなゆったりとした雰囲気で、ボランティアの話が気軽に聞けるイベント」を目指して、学生コーディネーターが企画・運営しています。
「ボランティアに興味がある」「参加したいけれど、何から始めれば良いの?」「誰に相談すれば良いの?」などの疑問や悩みを抱えている学生に向けて、ボランティア活動経験のある学生やボランティアの受け入れ団体の方から具体的なお話を聞いたり、交流したりできるような機会を設定することで、”参加の一歩”を踏み出すきっかけになればと考えています。
「(一社)彩の国子ども・若者支援ネットワーク」について
「一般社団法人 彩の国子ども・若者支援ネットワーク」は、「生活困窮世帯の子育てを支援すること」「生活困窮世帯の子どもの学力を伸ばし、高校進学などの進路を拓くための支援を行うこと」「生活困窮世帯の子どもの社会的自立を支援すること」を目的に、家庭訪問・面談・居場所づくりなどを通した社会参加・自立のための支援、学習教室の運営、体験学習・通所型就労体験の開催などに取り組んでいる団体です。
大学等の研究者、小・中・高・特別支援学校の現職と元教員、社会福祉士、臨床心理士、ケースワーカー、児童相談所元職員など子ども・若者に関わる専門家などで組織されています。
多くの立教生がボランティアとして関わっている「アスポート学習支援事業」
「子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、子どもたちが希望を持って明日への船出ができるようにしっかりサポートしていこう」という願いが込められた「アスポート=「明日へのサポート」+明日への港(ポート)」は、埼玉県が全国に先駆けて始めた事業です。
「彩の国子ども・若者支援ネットワーク」は、埼玉県からこの「アスポート学習支援事業」を受託し、主に中学生を対象とした学習教室を県内約60ヶ所で開催しています。
この事業は、「家庭訪問」「学習教室」「課外活動」の3つのサポートを中心に行われており、特に「学習教室」の活動には、現在も多くの立教生がボランティアとして関わっています。
当日の様子
新座キャンパスで開催したボラカフェには、代表理事の土屋匠宇三さんとボランティア担当の横田さんに、池袋キャンパスには、同じく横田さんと支援員の溝口さんにゲストとしてお越しいただきました。
会場では、椅子を丸く並べて、「学習支援ボランティアの現場の様子」や「それぞれがその場にどのようにして関わることになったのか(ご自身の経験など)」をお聞きしました!
学習支援によって貧困の連鎖を断ち切る
現在、日本の子どもの約6人に1人が貧困に苦しんでいますが、家庭内の様々な事情によって経済的余裕がないことから、親が子どもに十分な学習環境を用意することができない状況にあります。
そのため、子どもたちが技術や知識を習得できるような機会が失われてしまっているのが現状です。
さらに、その子どもたちがそのまま大人になることで再び保護を受けるような状況に陥るなど、貧困から抜け出せない”貧困の連鎖”に繋がってしまいます。
団体としては、このような連鎖を断ち切ることを目指していること、そのために学習支援を行っていることを教えていただきました。
それぞれの立場や関わりから見えるもの
ーー代表理事・土屋さんには、支援を受ける子どもたちについてお話しいただきました。
土屋さんは、大学院在学中に学生ボランティアとして「彩の国子ども・若者支援ネットワーク」と出会いました。
実際に学習教室でボランティア活動を行い、また関連する研究活動も行っていたそうです。
そんな土屋さんからは、「家庭の事情により学校に行けない」「行ったとしても授業についていけない」など、支援を必要とする子どもたちには様々な課題が残されていることについて教えていただきました。
子どもたちの中には、「学校に通えないのは、自分に原因があるから」と感じている子や「塾に通いたいけど、経済的事情により親には言い出せない」という子もいるそうで、簡単には解決できないような複雑な背景・課題や悩みを抱えているということでした。
そのような中でも、自分の話を親身になって聞いてくれる、そして”憧れの存在”になりうる大人の存在が側にあることが、子どもたちにとって「勉強を始める」、そして「将来のことを考える」ためのきっかけにもなっているそうです。
子どもたちのニーズは十人十色ですが、だからこそ、この学習支援ボランティアにおいて、子どもたちと年齢が近く、多様な関わり方ができる大学生が”欠かせない存在”となっていると話されていました。
ーーボランティア担当・横田さんの経験談
ボランティア担当の横田さんは、元々高校の国語の先生だそうです。
このアスポート学習支援では、主にボランティア担当として、ボランティアと学習教室での活動をつないでいます。
そんな横田さんは、子どもたちとの関わり合いの中で、子どもたち自身が好きなこと・ハマっていることなどを教えてもらうことが多いという話をしていました。
「鬼滅の刃」などのアニメの話題や、好きなゲームの話題、普段は人見知りであまり話したがらない子どもでも、自分の好きなことになると、目を輝かせながら熱心に話してくれるそうです。
また、自分自身が「真剣に自分の話を聞いてくれる大人の存在」になることにより、子どもたちにとって安心できる環境や関係がつくれているのではないかと話されていました。
ーー支援員・溝口さんの経験談
溝口さんからは、支援員として実際に過去に担当した子どもとの関わりについて教えていただきました。
それからは、教室を飛び出すことも少なくなり、溝口さんとのコミュニケーションの機会も増えていったそうです。
溝口さんは、この経験を通して「普段とは異なる視点や手段で子どもたちと関わることで、信頼関係の構築やその糸口に繋がることを学んだ」と話されていました。
アスポート学習支援に関わる学生ボランティア
ーー横田さんにどのような学生が活動しているのかについてお聞きしました!
「子どもと話すのが好きで学習支援を通じて子どもと触れ合いたい」「塾講師のアルバイトをしていて、その経験を実際に活かしたい」「教員志望で、学生のうちに学習指導の経験を積みたい」などの思いをもつ学生が、多く参加しているようです。
文系理系関係なく、参加動機はそれぞれだと話されていました。
また、活動する学生の中には、普段子どもと話す機会の少ない人も多いようですが、「同じ趣味をもった子どもと出会えて、思いのほか会話が弾んだ!」「自分のことを信頼してくれる子どもに出会えた!」など、活動を通しての喜びや楽しさを感じているとのことでした。
「アスポート学習支援」には、継続して活動している学生ボランティアが多く在籍しています。
”継続”を負担に感じる人もいるかもしれませんが、ここでは、「自らの意思で教室に来てくれた!」「嫌いだった勉強を自主的に取り組んでくれるようになった!」「担当している子どもが将来の夢を話してくれた!」という子どもたちの成長や変化を感じられること、それが大きなやりがいとなり、モチベーションになっているのではないかと話されていました。
最後に
学習支援ボランティアの活動は、「子どもたちの将来がより明るいものとなるようにサポートする活動」ですが、何かを”やってあげる”というよりも、ボランティア自身が活動を通して子どもたちの成長から、”自分も頑張ろう”と思える機会にもなっていることを学びました。
「先生と生徒」という関係ではなく、「斜めの関係」「対等な関係」から、子どもたちが自分の可能性を信じて生きることのできる社会の基盤を築く、という素敵なボランティア活動の存在を知ることのできたボラカフェでした!!
おまけ:よりカフェらしい装飾に!
学生コーディネーターが試行錯誤しながら、ゆったりとした雰囲気でふらっと立ち寄れるような装飾をしてみました。
動物の足跡を辿っていくと…
ホワイトボードでお迎え!
カフェで流れているようなBGMを流して、落ち着いた雰囲気に♪
いかがでしょうか?
今後もさらにバージョンアップしていくので、ご期待ください!笑
学生コーディネーターは、今後も楽しいイベントを企画していきます。
この記事を見て、少しでもボランティア活動に興味をもった人は、気軽にボランティアセンターまで足を運んでください。
お待ちしております!