見出し画像

自分のひとり言を減らせますか?セルフトークをマネジメントするということ。

こんにちは。
先日、セルフトークマネジメントについての本を読みました。
そこで、今日はセルフトーク(ひとり言)をマネジメント(管理)することについて考えてみたいと思います。

人は終始、自分と内面で対話しています。
私はそれが多いほうなのでは?と思うほど、常に頭に言葉や想像が流れています。
それが「セルフトーク」です。
本書によると、セルフトークは私たちの行動(パフォーマンス)を大きく左右するもので、そのセルフトークをマネジメントできれば、パフォーマンスが変わりさえするというのです。

本書を読んで、私自身の実践や気づきをもとに、気になったポイントを書いてみたいと思います。

読んだのはこの本


■ セルフトークとは「特別な独り言」

私たちは無意識で自分と対話しています。
大勢の前で話すとき、あえて「緊張する」と自分に話しかけなくても、
「人が大勢集まったな」「専門家っぽい人が多いな」「あまり聞く気がなさそう」など自分の感想として、何かしらの言葉が湧いてきます。そんな独り言もセルフトークといえます。

しかし著者は、
セルフトークとは『感情や、思考、行動の引き金として、自分の中に生まれる「言葉」』
であり『人間の感情や行動を左右する「特別なひとり事」』だと言います。

「特別なひとり言」
この言葉に私は興味をひかれました。

■ セルフトークの生まれるところ

では、そんな特別なひとり言は、どのようにして生まれるのでしょう。

『「実際にここにいる私」と「アイデンティティ」にギャップが生じたとき、人の心には無視できない不快感が生じ』、
『他人に自分の価値観が刺激されたときにもセルフトークが発生』

同.21ページ

どういうことでしょうか。

例えば、「自分は発表をうまくできる」というアイデンティティを持っていても、やたらと中座されたり、会場から携帯電話が何度も鳴ったりと
自分のペースを乱されて、うまくできなかったとき。
自分のアイデンティティとのギャップが生まれ、雑念としてのセルフトークが発生してしまいます。

または、「時間を守ってほしい」と思っている私と、遅刻してくる夫(笑)
私の価値観が刺激されたとき。「もう!」「なんで遅れるかな~」というセルフトークが発生します。

仕事では
「よかれと思って言ったけど、気を悪くされたかも」
「意見を言うことは良いことのはずなのに、あの人は意見を言われるのは嫌なのだろう」
と思い悩んでいるのも、自分の考えとのギャップから生じるネガティブセルフトークですね。

■ 生まれたらどうすればいいのか。セルフトークを味方につけるために。

気になったのは、そんな生まれたセルフトークとどのように付き合えばよいのか。という点です。
人は無意識に、自分の感想や感情が常に発生していますので、それではダメなのか?なんとかした方がいいのか?という疑問がありました。

いや、疑問というより、生まれたセルフトークを味方につけるにはどうすればいいか。野心に近いのかもしれません。(笑)

まず必要なのは「理解すること」
(1)セルフトークの種類を理解する。
(2)自分の刺激されるポイント(アイデンティティ)を理解する。
この2つを考えてみます。

(1)セルフトークの種類を理解する。
   反応(A)と対応(B)に区別する

セルフトークには2種類あると言います。結果としてパフォーマンスを下げるものと高めるもの。それは以下に区別できます。

・「感情」や「反応」といった自動的に生まれる「セルフトークA」
・理性から「対応」として行動へ導く「セルフトークB」

この「反応」(A)はネガティブな感情を生みやすく、実際の行動に結びつかなければ雑念となるものですが、
「対応」(B)は、目的に沿った理性的対応ができるので、感情に振り回されないというのです。

そのため、このAを減らす・なくすことがパフォーマンスを上げる鍵になるようです。
とくに人の態度や表情に反応してしまう(A)が多い時は、以下も念頭におくとよいと思いました。

気分を害するのは、言葉にしたその内容であることはほとんどなく、言葉にしたときの態度や口調が問題。

同.176ページ

(2)自分の刺激されるポイント(アイデンティティ)を理解する。

区別を理解したら、次は自分が刺激を受けるポイントやアイデンティティを自覚することです。
今回、本書ではっとしたのは、
アイデンティティとは、相手がいてこそ現れるものであり、「役割」であると思えばい。
ということ。

会社のチームで、相手の反応に違和感を感じた時、
家族が片付けに協力してくれず、もやもやした時(笑)

いずれも「相手がいてこそ」の、もやもやです。
つまり相手がいなければアイデンティティは刺激されない。

さらに、職場では「課長」、家では「父」などのように、アイデンティティは変化する役割であると思えば、刺激を受けた時に「この刺激は役割上の自分が受けている」と俯瞰できるのではないでしょうか。

■ セルフトークをなくす方法

では、どんな時でも生まれる感情から反応してしまうセルフトークAを
どのように抑えればよいのでしょう?
本書では8つ紹介されていましたが、私の気になったポイントは以下6つで自分流にまとめてみました。

1.自分のストレス発生原因を認識する
2.アイデンティティについて理解する
3.相手への貢献を考える
4.過剰な期待をしない
5.相手にはったネガティブなレッテルをはがす
6.「未完了」のコミュニケーションを減らす

1.自分のストレス発生原因を認識する
 もやっとしたとき、すかさず「今、私もやっとしたね。何に?」と自分に問いかけました。(笑)
これを2週間続けた結果、私が仕事上で苦手だと感じたのは以下の2点でした。
・嘘をつかれること
・根拠なく、さらに感情だけの判断で毎回違う指示がチーム内で飛び交うこと

10名以上のチームで、顧客(カスタマ)への同一対応を法人顧客(クライアント)から求められているため、基準は明確にしないといけません。
これができないと、チームが不安定になります。
これは私の職種ならではのストレスポイントかもしれません。

自分に問い続けた結果、チームサポートという私の役割が刺激され、
チームが不安定になったり、チーム全体の業務が滞ることがストレスなのだと理解しました。

2.アイデンティティについて理解する
 前出したので省略します。

3.相手への貢献を考える
 「うまくプレゼンしたい」「感謝されたい」という「自分」に戻る結果ではなく、「相手に貢献できるか」という手放して相手へ向かうことに焦点を変えます。

ちょうど、毎回違う10名に説明をする仕事が1週間続きましたので、これを実践してみました。
この時、「商品を魅力的に思ってもらえるか」に焦点を置きました。

さらに、すでにセルフトークの種類を理解しましたので、
攻撃的な態度をするカスタマがいたら、反応(A)ではなく対応(B)する。と自覚して「この人はなぜこのような態度か」を考えました。
「説明は無意味だと思っているのかもしれない」「知らない人に説明されるので緊張しているのかもしれない」「寝不足かもしれない」(笑)などなど。

常に冷静に相手をみたことで、「相手の目に魅力的にうつる説明ができるか」にスイッチが入りました。

「「自分が」きちんとできた」という、ひとりよがりの説明ではなく、説明中にも相手の反応を分析しつつ、「相手に」伝わる話をしようと心がけたためか、終始冷静で驚くほど緊張しませんでした。


4.過剰な期待をしない
 
様々な期待のシチュエーションがありますが、仕事上で上司と部下でよくあるパターンはではないでしょうか。
 「もっと相談にのってくれたら」「ちゃんと説明してくれたら」
 「きちんと報告してほしい」「なんで意図をわかってくれないのか」

 既出のとおり、相手あってのアイデンティティのギャップによるセルフトークですね。

 私もファーストペンギンとして仕事をしたとき、忙しい上司ゆえにバックアップがなく、別のところで妬みや嘘が出回り、孤立奮闘の経験があり、それを訴えたことがあります。
謝罪していただきましたが、今なら「あのショックは相談にのってもらえるだろうとどこか期待していたが、期待が裏切られたから自分は反応してしまった。裏切られたと思うのは自分の予想と現実が違っていから」と理解できます。
今ならもっと違う対応をするな、と反省と後悔中です。(笑)

また、先程の10名への説明の場面では「説明すれば聞いてくれるだろう」という期待もしすぎないことですね。


5.相手にはったネガティブなレッテルをはがす
私も時々してしまいますが、人は人に対してレッテルを貼りがちです。
「以前、強く言われた」→あの人は攻撃的な人
「新しい取り組みをしない」→あの人は受け身な人
のように、相手を理解したつもりでレッテルを貼ってしまいがちですね。

もし誰かにレッテルを貼ってしまった場合、以下を自分に問いかけます。
・どこでそう思ったのか?
・充分なデータに基づいてそう判断したのか?
・正反対のレッテルになるような、判断材料はないか?

少ない判断材料で人を「概念化」してしまわないよう、
常に問いを立てることが相手にレッテルを貼らず、その思い込みで自分がストレスを受けることもない。
筆者はそのようにアドバイスしています。

もちろん、相手を理解することとレッテルは紙一重的なところがあるので、
一概には言えませんが、常に相手の「最新」を更新していくことがよいのかなと思います。

私は、長年同じメンバーで仕事をしているので、ここは常に気をつけたいと思っているポイントです。

それは家族に対しても、同様ですね。子どもは成長しているので更新が目に見えやすいけれど、夫は・・・(笑)気をつけないといけないなぁと思います。


6.「未完了」のコミュニケーションを減らす
この「未完了」は、ToDoではなく人間関係のコミュニケーションのことです。未完了が多いと、セルフトークA(反応・感情・雑念)が増えるため、常に消化させておくことが必要です。

ズレが起きそうなときは、なるべく早く話し合います。
忙しそうならメールします。
勝手に「こう思われていないか」「こうしてくれるはず」な自分的な思い込みはせずに、正確に相手と状況を共有できるよう努力します。

最近は、相手の時間を奪うからとコミュニケーションも時短傾向にありますが、省略するところ、時間をかけて確認やディスカッションするところを理解しておかないと、手戻りが増えることがあります。

『人を動かすことができる人は、決して対話を先延ばしにしません』

同.123ページ

■ おわりに。セルフトークのだだ漏れはもったいない。

今回、私なりに刺さったポイントを実践したり、自身の経験を思い出して一人フィードバック(笑)をすることができました。
そこで思ったのは、常に生まれてくる感情のセルフトークを、そのままスルーしているのはもったいない!ということ。

私は違和感を感じた時、なんで?どうして?と自分に問いかけ続けた結果、少しずつ言語化できて、もやもやが「あ、そうか」に変わり、
「私はそれが嫌だったのか。でもそれは本当に嫌なこと?」へとさらなる問いが発生しました。
自分自身に対しても「未完了」を減らすことができたのだと思います。
それにより、雑念が減りシンプルにやるべきことに集中できた気がしました。

私の視点ポイントのみとなりましたが、本書では当然ながらもっと丁寧な説明やシチュエーションについて書かれています。
常に様々な業務を抱えていたり、チームで仕事をする方は、摩擦や雑念が減らせる参考になるのではないかと思いました。


いいなと思ったら応援しよう!