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息子と私の高校受験237日「戦闘態勢」

運命のその日。
電話は。


なりませんでした。


その日は朝からそわそわして、なんだかなにも手につかないような感じでしたが、18時くらいになって、ようやくほっとしたのを覚えています。

「決まったな。」
「決まったね。」

そう言って、二人でハイタッチしました。

そして私立受験に向けての勉強を開始しました。
俗に「赤本」という、受験する高校の過去の試験問題が載っているものを買い、まずは一から解いてみることにしました。

やってみてわかったのは、去年の問題からがらっと出題傾向が変わっていて、難易度も上がっているということ。

「これさぁ、なんかちょっとずるくない?
急に難しくなってるし、なんかイラッとするわー。」

「いやでもそれは仕方ないじゃん。
でも去年から変わってるから、まだ救われてるよ。
去年の受験した子たちのほうが、これないわ!って言ってるよ、きっと。」

「あー、そりゃそうやな。」

そんなことを言ったりしながら、何度も問題を解いていきました。

最初は説明しながらじゃないと解けない問題が多かったのですが、だんだん一人で解けるようになっていって、それは彼の自信を強くしていきました。


私立高校の願書提出も終わると、学校も完全に受験モード。
彼も色々気になり始めたようで、ある日、帰ってくるなりこう言いました。

「あんな、俺、面接あるやん。
ちょっとさ、俺の姿勢とか座り方とか歩き方、みてくれへん?」

「もちろん!まかしといて!!」

そしてノックして座るまでの流れ、姿勢、歩き方、座り方、話を聞くときの姿勢や態度、などなど、一つ一つ教えました。
その甲斐あって、なのか、学校の面接の練習会があった日は、

「俺、全く問題なしやったわー!!」

と言って帰ってきました。
(あたりまえじゃ!と思ったのは内緒の話。笑)

この頃から、彼は学校の休み時間も一人で勉強するようになっていました。
先生方にもですが、クラスの成績のいい友達にもわからない所を教えてもらったりしていたようです。

今までずっと霧のなかでよく見えなかったものが、だんだん晴れてきて、はっきり色々なものが見えるようになってきた。

そんな感じで「わかる」「できる」という感覚を味わっていたんだと思います。

解けることが、面白い!楽しい!気持ちいい!
よくそういうことを言うようになりました。
顔つきも変わってきました。

そして最後の学年末テスト。
先生方も驚くほど点数も順位も上がりました。

テストが返ってくるたびに、先生からよく頑張った!よくやった!と声をかけていただいて、息子も本当に喜んでいました。

数学の先生が、彼にこう言ってくださったそうです。

「あのな、一回頑張ることをやめてしまったり、悪い方向を向いてしまったやつが、もう一度正しい方を向いて頑張るっていうのは、なかなか難しいねん。
だから3年から頑張るわ、って言ってても、本当に頑張れるやつはそういない。
でもお前はちゃんと立ち直って、これだけ成績上げて結果を出してる。
えらい。
なかなかおらんねんで。
だからお前はもう大丈夫やと思うわ。」

この話を聞いて、思わず泣きました。
息子は本当に恵まれていたと思います。

そして。
いよいよ公立高校を決める三者懇談の日になりました。

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Belle Posent(ベル・ポーズ)
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