【商業出版する方法+383】2024年売れた本!の総括と来年&今後のビジネス・実用書業界の展望を語ってみた。
元KADOKAWAのビジネス・実用書出版コンサルタント+編集者+ビジネスプロデューサーの渡邉理香です。
2024年の年間ベストセラーの情報がいろいろと出てはいますが・・・
私なりの「調査」と「市況」を鑑みてサクッとお伝えしようと思います。
>とにかく2024年ビジネス書の世界で売れた本ってなんだ??
・・・といえば、こちら
大手取次会社・日販もトーハンも、こちらの本が軒並み「売れた」認定をしています。
帯にもすでにあるように、ビジネス書のランキングではトップの売れ行き。
この本に限らず、「コミュニケーションスキルを高める」に関わる本は軒並み売れていると思います。
・伝え方
・話し方
・聞き方
そして
「言語化力」を高める方法
・・・SNS超社会であること、多様性がさらに深まっている現代社会において、「ジェンダー」「世代間」「業界別」「グローバル」における「コミュニケーションスキル」を上げていかないと、いよいよ「阿吽の呼吸」では、何も進まない・全然うまくいかなくなっている日本社会を浮き彫りにしているかのようです。
とにかく「個」の時代にさらに突入している感覚はありますよね。
肌感であっても、世代ごとに「意識していること」「響く言葉」「受け入れられる感性」は「違って」きています。
私もコンサルを行う中で、クライアントさんの”世代”や”その人が身近に関わっている「業界」”において、価値観・信念・言葉・意識・行動・・・軒並み「違い」を感じるようになっているし、
とにかく「言葉を尽くさないと」「言語表現をその人の地盤を考慮しながら行っていかないと」通じなくなっているな、ミスコミュニケーションを引き起こしがちになっているかも・・という感覚を受けます。
>普通なら〜と思うものでしょ?
>通常なら〜なものでしょ?
>〜であることが、日本人として当然ですよね?
>女なら〜であるのが、常ですよね?
>男なら〜なのが、当たり前でしょう??
・・・こういう「みんな同じように感じているよね」「当たり前ですよね??」みたいな、日本人独特の集団意識と言いますか、同調意識というものが本当に「通用しなくなっている」のですよね。
一歩自分のテリトリーと違う世界に足を踏み入れようものなら、意識から行動から言葉遣いから、間の取り方から・・・ありとあらゆるものを「変化」させて、その場その空間その世界に”適応”していかないと、もう日本人同士であっても「これまで慣習的に行われてきた画一的なコミュニケーション」だけでは、不和やズレ・不寛容が発生しやすくなっていると思います。
その意味でも、日本人にとってコミュニケーションスキルを改めて見直す時期に入ってきているのでしょうね。
集団や団体から、「個」がさらに重視されている時世だからこそのベストセラーアイテム・ジャンルなのかもしれません。
また「頭がいい・悪い」という、ポジ・ネガ含めいろんな意味を込めた「ダイレクトな表現・wording」もビジネス書ならでは。
加えて・・・なんでしょうねこの「賎民的」な意識の植え付けを醸すwordingは・・・(苦笑。。でもこれも「男性性の高い」ビジネス書ならではの本づくりだなーとも感じられます。それが、細部までほどこされていて、その視点からみても完成度の高い書籍であるよな〜とも思わされます。
>基本的なビジネススキル系の本も台頭
今年は「基本的なビジネススキル系」の本なんかも、”割に売れている””やや復活してきた??”とも思えるような流れを感じました。
「朝日新聞出版」が出しているラインナップは、10年〜20年前に売れていたようなビジネス書のエッセンスを、現代にあわせた「見せ方」「打ち出し方」で本づくりを行っていて、スマッシュヒット感を思わせられます。
こちらの本などは割りに10万部を超えているそうで・・・
「今さら聞けない」
「超基本」
というwordingがまさに、かつての一斉を風靡したビジネス書ぽさを醸し出しているのですが・・・。
それにしても日本人は「振り返り」「復習」「見直し」「身につけ直す」というのをする勤勉性の高い民族なのだなーと実感せずにはいられません。
まあ、ビジネススキルやマナーといったものは、時代における「変化変容」もあったりしますし、守っていく伝統もあれば、今は必要ない・時代遅れな慣習なんかもあります。
そしてとにかく人は「忘れる」。
また、「基本に立ち返る」系のコンセプトの本は昔から売れているので、その流れや需要を適切に掴んだラインナップとして企画しているのだろう・・と思わせられます。
明日香出版社の「できる人・できない人」シリーズなんかも、カバーがとても洗練されたものに生まれ変わっていて、これまた売れているのだなーと思わせられる面構えでもありますよね。
明日香出版のホームページを見ると、
「習慣」
「失敗しない・・・」
「鬼」
「1冊のノート」
「要領いい人」
「見えないところでやっている」
これらのザ・ビジネス書!らしいキラーWordが並んでいる本が多いように思います。
その意味でも、純粋な「ビジネスハウツー」をまた新時代の感性で学び直す・・・そういう潮流がリバイバルしてきているのかもしれないな〜・・・とサクッと分析できるかな、と感じています。
>あいも変わらず売れているジャンル
・・・というものもちろんあります。
自己啓発
→自己肯定感アップとか、自虐心をついた癒しものとか、発破かける系とか・・・
スピリチュアル
→引き寄せ・量子力学・宇宙の法則/自然の法則
心理学やメンタル系の実用本
→病んでる人多いですからね。病んでしまう「自然現象」「社会現象」も頻発していますし・・
需要がめちゃくちゃ高いジャンルです。
お金
→家計簿や家計ノートが今年は年間ベストセラー上位にもランクイン!
まあ、これまでもランクインされなかったわけではないですが、今年は「目立つ」感があります。
物価高なども相まって、お金の管理に対して気がむいているからでしょう。
あと・・
お金を増やす(少額投資)
お金を作る(起業や副業・・・など)
への興味も依然として高いと考えられますね。
健康
→完全な「高齢社会」となっている日本。
加えてメンタル疾患の人も軒並み増大中。
日本人にとって「健康」は国をあげての最重要課題になっています。健康に関わる実用本も切り口を変えて本当によく出ているし、売れている本も多いですよね。
教育・子育て
→少子化が一層進む中で、子どもたちを取り巻く環境はかつてとは全く異なっています。昭和や平成の感覚で子どもたちを育成することは、難しくなっている。
新しい子育ての理論や、子どもたちのメンタルヘルスの世界線においても新たな「症状」が発症しており、それに立ち向かわざるをえない状況が生まれています。
私の出版コンサルのクライアントさんが出版された「場面緘黙」にまつわる以下の実用書も、その流れを受けていると感じずにはいられないですね。
英語などの語学に関する本も・・
→私の「出版相談」でも英語に関わるコンテンツを相談される人がいます。英語の本もよく出ていますし、みるし、売れている本もありますね。
ただ英語に関しては「語学書」の領域に入り、ビジネス・実用書の世界とはまたちょっと一線を画しているジャンルにはなります。
ビジネス・実用書内の「英語」本は、仕事の現場で+中学英語程度で+どうネイティブをコミュニケーションできるか!+短期間で身に付く!・・・みたいなコンテンツが売れているようです。
そして「日本の伝統的な英語教育のアンチテーゼ」から全ての本が生まれている・・・そんな感覚を覚える本づくりが前かと思いますね。
SNSインフルエンサーの本
→youtubeで「万」を有するフォロワー(登録者)数をもつハウツー&ノウハウ発信者の人々。
「料理系」「スピリチュアル系」「ビジネススキル系」「一般エンタメ系」「専門家系」・・・これらのジャンルでyoutubeのチャンネル登録者数が「万」〜「数十万」保持している人は、かなり本を出しているし売れていますね。
Instagramでも「マン垢」を稼ぐコンテンツを発信するインスタグラマーは、本が出ているし、売れています。「スピリチュアル」「片付けや整理などの生活実用」「インテリアなどの生活実用」「インスタマーケの本」・・・実用ネタでフォロワー数が「マン垢」を有していると、出版しやすいし本も売れやすいです。
「X」でも同じく、インフルエンサー系は、本のオファーがかかりやすく・重版していきやすい!と実感してなりません。
>2025年の展望は?
2024年の流れを一様には受けて、引き続き同様のジャンルの本が「切り口を変えながら」でも作られ、売れていくことは間違いないでしょう。
しかしその中で
・元気が出る!エネルギーが高まる!コンテンツ
というものも今度は求められてくるような気もしています。
スピリチュアルの世界的には「風の時代」という言われ方をしていますが、人の流れや社会を動きを見渡してみても・・・
「変革期」
にかなり入っていく気がしてなりません。
これまで「当たり前にあったようなサービスや、状態が”終わり”を告げ」たり・・・
これまで「居て当たり前だった有名人や著名人」が2024年はお亡くなりになるニュースも色々と流れました。
政局の変化などによる、制度や政策の変革・・・などにも入ってきているので、、
もっともっとあらゆるところで「変革」や「革命」が起こっていくのではないかと読んでいます。
そういう中だからこそ「混乱」や「混沌」的な空気感や、感情も至る所で頻発していくと思います。
とはいえ「変革」「革命」になっていくので、もうモヤモヤしている場合でもなく、クヨクヨしている場合でもなく、病んでる場合でもありません。
立ち上がって起き上がって「元気になって」「エネルギーを高めて」行動する・・そういう時世が、2025年「巳年」にはあると考えますので・・
「元気になる!」
「エネルギーが高まり、行動できる」
「(これまでとは違った意味で)結果が出る・成果を出せる」
「(これまでとは違った意味での)成功法則」
などを醸した本づくりが行われ、そういうコンテンツが広まっていくのではないかな・・・と考えます。
辰年って「揺れる」んだそうです。
その意味では「揺れ」がいろんなところで起こった年だったし、それを適切に表現化されたような本が売れている感覚もあります。
改善ハウツーは示されているけど、今ひとつ突き抜けない。どこかまだモヤっと感は残る。グジュグジュしている感覚が、カバーを見ていても感じられます。
しかし「巳年」は、それこそ「金運」や「開運」などにも直結しやすい干支でもありますので、今後はまさに
「エネルギーが高まり、さらに生産性の高い行動ができ、これまでとは違った成果や結果が期待できる」
・・・もっといえば
・明るい本!
が続々現れるのではないかと想定していますね。
これまでにあったようでなかった理論の展開と、イノベーション溢れた本がたくさん出てくる予感はしますし、そういう本が求められているように感じるので、、
これから出版を目標に考えるあなたに対しては。。
元気が出て、エネルギーが高まって、これまでであるようでないハウツーやコンテンツが集約されている、イノベーション性が感じられる「明るい」本
を目指してコンテンツ力や自分磨きをしていって欲しいものです!
この話題についてはyoutubeでも動画をアップしています。
併せてご覧いただけると嬉しいです!
今年もありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします!
==================
読んでいただきありがとうございます。
引き続き以下のコンテンツ・メニューをご案内中!
ピンときたものがあれば、ぜひご参加くださいね。
==================
>起業家・経営者における「出版に関する問い合わせや相談」の窓口です。
まずは、お話聞かせてくださいね
”元大手出版社の編集者による出版相談”
https://rikabook.com/consultation
>ビジネス・実用書出版を目指す起業家・経営者のためのメール講座(メルマガ)。ご登録特典として、出版相談セッションがお得に受けられます!https://rikabook.com/pubmerumaga
>商業出版講座を無料配信中!
youtube渡邉理香チャンネル
https://www.youtube.com/@user-lf7qv1ez7s
>noteで公開!「商業出版相談・質問」のメッセージをお待ちしております。noteでご質問やご相談の回答記事を書かせていただきます。https://bit.ly/3MqTOjh
出版企画書の書き方に関しては、より詳しい内容とエッセンスを詰め込んだオンライン教材もありますので、学びたい方はこちらもどうぞ〜
編集者目線の企画書の書き方が学べます。
「超実現!出版企画書作成講座」
https://freedomrichstyle.com/kikakusyozemi2024