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アサガオの花で色の実験してみよう
みなさま、ごきげんよう。
理科好きりかママです。
今年の夏も、アサガオが元気に育っています。
アサガオは、小学校で4月に種をまくイメージが強いですが、実際には、梅雨時に種をまき、梅雨明けに一気に成長させるのがおすすめです。
理由は、梅雨時の長雨で日照不足になると、せっかく大きくなったアサガオが枯れてしまいますし、雨風が強いと、背が高くなったアサガオは倒れやすくなります。また、たいていの学校では、1学期末の個人面談後にアサガオの鉢を持ち帰ると思いますが、そのとき、つるが伸びすぎていないほうが楽ですよね。うちも、本葉数枚での持ち帰りでしたので、とっても楽でした。
今、我が家で咲いているアサガオは、淡ピンクと青です。
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1)アサガオから色をとりだそう。
色の実験には濃い色のほうがよいので、青色のアサガオを使います。
「花で色」というと、オシロイバナをたくさん集めてビニール袋に入れ、水を入れて色水にするのがメジャーですが、アサガオでは、オシロイバナのように色素が濃い花をたくさん集められないので、たたき染めの手法で白い布を染めます。
1.白い布の左側に軽く全体を濡らした花を置きます。
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2.布を半分に折って、花を布で挟みます。さらに、新聞紙(1日分)で挟みます。
3.新聞紙の上から、木づちなどで花のあるあたりを1分ほどたたきます。
少し水分が足りないと思われたら、布の上からでいいので、花の部分のみ霧吹きでぬらし、再度、木づちでたたきます。
乾かした後の白い布。しっかり染まっています。
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2)色を変化させてみよう。
ここから、色の実験です。
まず、セッケン水を左側の上のほうにぬってみます。
すると・・・
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青色に変化しました。
次に、酢水を左側の下のほうにぬってみます。
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ん~こちらは、あまり変化なしですね。
3)アサガオの青い色の正体を調べてみよう
植物(食べ物)から取り出した色が変化するものとして有名なのが、紫キャベツや紫イモです。
紫キャベツの色の成分は、アントシアニンです。アントシアニンはポリフェノールの一種で、青紫色の天然色素です。ブルーベリーや巨峰などにも含まれます。
青系の色の花の色素も、アントシアニンが多く、青系のアサガオの色素もアントシアニンと言われています。
4)色が変化したりしなかったりしたのはなぜ?
セッケン水の液性(水溶液の性質)は、アルカリ性(塩基性)です。
一方、酢水の液性は、酸性になります。
※水溶液の性質はpH(ピーエイチ)という数値で表されます。pHが7で中性、7よりも小さいと酸性、7よりも大きいと塩基性(アルカリ性)です。酸性は数値が小さくなればなるほど強くなり、塩基性は数字が14に近づけば近づくほど強くなります。
アントシアニンは、水溶液中では液性によって分子構造が変化し、目に見える色が変化します。
一般に酸性の水溶液中では赤(紫)色、中性の水溶液中では紫色、塩基性の水溶液中では青~緑色を示すと言われていますが、分解しやすい物質のため、色の変化が予想通りにならないことも多いです。
では、花から抽出した色にセッケン水と酢水をつけたときを検証してみましょう。
セッケン水をつけた場合は、色がはっきりと青色に変化しましたので、アントシアニンの性質によって色の変化が起きたと言えます。
では、酢水をつけた場合はどうでしょうか?
一般論では、赤色に変化するはずなのですが、、、
見直してみると、花から抽出した色が、紫色というよりもかなり赤いですね。この時点で酸性よりになっていたのかもしれません。
ちなみに、アサガオは色の変化が起きやすい花としても知られています。
今回、青い花を咲かせたアサガオも、つぼみの時は赤紫色が咲くと思うくらい赤っぽかったのですが、「つぼみ→開花直後→開花数時間後→しおれてから」で色が変わることが多いそうです。
(実際にpHをはかってみると、その時々で変化しているそうです。)
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理科の観察・実験では、決められた正解はありません!!
あーかな~こうかな~と考えながら、調べながら、実験し、結果を探究してみてください!
今日もお読みくださりありがとうございます。