早期教育に興味のあるママパパへ。子どもに文字を教えるのは焦らないでいい理由。
保育士さんを始めてから1か月。
自分の子育てと、保育士の勉強をする中で何となく感じていたことが確信に変わったことの一つが、
“お話や絵本好きな子どもたちには”
『文字を教えるのは遅めが良さそう』
『大人が読み聞かせをするのはできるだけ長く続けたほうがよさそう』
ということ。
なぜなら、子どもたちは、自分で文字が読めないからこそ、それを補うように色々な能力が育まれていくのだけれど、それらは文字を理解する以上に大切な力になるから。
そして、少し恐ろしいのだけれど、文字を理解し、自分で読めるようになってしまうと急速に衰えてしまう力もあるから。
例えば、まだ文字が読めない乳児ちゃんのクラスにある絵本は、いろんな動物たちが次々にお腹を出し、ポーンポン、 ポンポンぽこぽん、という表現を繰り返すだけだったり、パンにレタスやトマトをはさみながらサンドイッチが完成するまでを紹介するなど、単純なものが多いのだけれど。単純だからこそ、何度も読んでもらううちに、すっかり覚えてしまう。
すると経験の浅い子どもたちでも「私、これ知ってる!」「次こうなるよね!」と胸を張って自慢できることが生まれる。少し大袈裟だけど、絵本で自己肯定感が高まるのです。
保育園オリジナルの『働くくるまずかん』は郵便車、ごみ収集車、消防車など車の写真と、車の名前が並べられているだけなのだけれど、これも、繰り返し読んでいるうちに
「ごみ収集“しゃ”!」「しょうぼう“しゃ”!」「ゆうびん“しゃ”!」と得意げに“しゃ”のところだけを真似して叫ぶようになっていて、こんな楽しみ方もあるんだーとリズム遊びを勝手に生み出す発想力に驚かされる。
苺が育っていく『いちご』の絵本は、最後にお皿いっぱいのみずみずしい苺がてんこ盛りになって現れるのだけれど、子どもたちは、ページから苺を摘んで、あむあむと食べてみたり、「どうぞ!」とお裾分けしてくれる。
絵本の世界と自分の世界がつながって行ったり来たりが自由にできて楽しそう。
耳から入ってくる情報だけで繰り返しのリズムを楽しむ力や目に見えない世界と自由につながり入り込む力は、言葉を理解し、自分で読めるようになると徐々に失われてしまう。
なので、お小さい子を育てているママパパへは
小さいうちから読み書きができるのも素敵かもしれないけれど、文字が読めないからこその能力開発や至福の時間もあることを心に留めておいてほしいなと思う。
少し大きくなってからも読み聞かせをオススメするのは、自分で読む力以上の物語も楽しめるから。
もう文字で読めるのだから自分で読みなさい、と子どもに任せてしまうと、文字を読むこと自体に集中力が削がれてしまうし、自力で読めない本にはなかなかたどり着けない。
読み聞かせなら、ストレスなく、リラックスして、自分の読む力以上の物語の世界にも浸れる。
冒頭、“お話や絵本好きな子どもたちには”と“かっこつき”にしたのは、
子どもによっては、物語にハマらない子もいるから。
天体、恐竜、昆虫など、自然科学に興味が湧いている子たちは、リアルな体験を重ねてゆくことで理解が深まり、良さが発揮されていくみたい。
なので、どの子にも絵本は万能!と押しつけてしまうのは良くなさそうという気もしてる。
それでも絵本や読み聞かせが持つ力の凄さは計り知れないと発見、実感しましたので、感覚が新鮮なうちにシェアしておきました。
現場からは以上です。
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