「エルピス」参考資料の一冊に書いてある無実を信じる理由
週一回の「エルピス」に震えています。
正しいことをしたいと思っていても、 保身や諦めでスルーしている自らに、切っ先鋭い刃が向かってくる、渾身のドラマって感じです。
ここ数年、記憶にないとか忘れたとか関係ないとか逃げ回ったり知らん顔をしている「あの人たち」の顔が浮かぶこと浮かぶこと。
このドラマのモチーフとなっているのは、冤罪事件です。
その参考資料の一冊に、足利事件は冤罪である、を追ったノンフィクション「殺人犯はそこにいる」(清水潔著)がありました。
著者の清水潔さんは、足利事件の菅家さんが無実だと信じた理由のひとつについて、こう書いています。
獄中の菅家さんが家族に宛てた手紙の中に、こんな一文があったそうです。
この税金とは市民税のことらしいです。
DNA鑑定のミスと強いられた自供によって、死刑になってしまうかもしれない菅家さんが、税金滞納の心配をしている。
そこには、
国は、裁判は、
きっと正しく自分を裁いてくれる。
無罪に導いてくれる。
との、国を信ずる気持ちがありました。
だから、税金の滞納はできない、と。
清水さんはこの手紙を知って、菅家さんの無実を信じ、取材を進めたといいます。
「エルピス」が参考とした冤罪事件のひとつ足利事件は、
冤罪であることが確定し、
国は過ちを認め、謝罪をし、菅家さんは無実となりました。
「エルピス」がこの先どう展開していくのかはわかりません。
ただ、冤罪という難しいテーマを扱いながら、
安倍元首相や菅官房長官の元号発表、オリンピックなど
現実のニュース映像も出して攻めまくる「エルピス」。
それでもぞくぞくとするフィクションにして見せてくれていて、
このドラマ、ちょっとした事件ですぞ。
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