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本と映画と、すてきないくつか

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今日も心をとらえて離さない本と映画と、それからいくつかのステキなものたち
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記事一覧

使徒使徒死都死都雨が降る〜筒井康隆「敵」

東京国際映画祭で東京グランプリに輝いた「敵」(吉田大八監督/筒井康隆原作)。 ちょっと気…

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竹やぶ焼けた、を文学に進化させた満島ひかりのクリエイティブ〜「軽いノリノリのイル…

お時間あるときで結構です、けっしてお手間はとらせません。 写真にある文章を下から読んでみ…

さとしとさ
2週間前
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「かしこくて勇気あるこども」を願うことは自然なことなのか親のエゴなのか

生まれてくる子どもに望むこととして、元気で健康を、は当たり前として、こんなことも願うかも…

さとしとさ
2か月前
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戦後を記録し続けた報道写真家。小手鞠るい「アップソング」の力強さに震える

新宿駅西口での反戦集会、あさま山荘事件、三菱重工爆破事件、御巣鷹山日航機墜落事故、ベルリ…

さとしとさ
3か月前
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渋谷のきのこ雲もいいけれど。小手鞠るい「ある晴れた夏の朝」を読んで

79年前の、ある晴れた夏の朝の上空に、忽然と湧き上がった人工の雲。 そのキノコ雲を渋谷の街…

さとしとさ
3か月前
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代わりに読んでくれて、ありがとうございます。

「虎に翼」には登場人物がさりげなく本を読む姿がよく出てくる。 書名がはっきりと映し出され…

さとしとさ
4か月前
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映画を見る前にもう一度マンガの方を。「ルックバック」

藤本タツキ「ルックバック」 このマンガの読み方を、「倍速」と絡めてみる。 1回目: マンガなので、大きなコマを中心に、ネーム優先で、倍速とまではいかないけれど、1.5倍速ぐらいの感じでぱらぱらと読んでみる。 うん? もしも〜だったら?のアナザーワールドを描いた作品なのか? でもなんかそれだけじゃないような…。 2回目: とりあえず読んだ、で本棚にしまってしまうにはなんか重要なものを見逃したような、もったいないような気がして、今度は一倍速でじっくりと読み返してみる。 二人の

「マルホランド・ドライブ」制作日誌

*月*日 第一回メインスタッフ・キャスト合同打ち合わせ。  予想通り中味について多くの疑問…

さとしとさ
5か月前
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聴くものを読み。観るものを聴く。「蜜蜂と遠雷」から聴こえてくるもの

役者の天才とその演技を文章で表現した「チョコレートコスモス」、そしてこの、天才たちの演奏…

さとしとさ
5か月前
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厚く生きる、と書いて厚生年金とよむ2024年6月19日

会社員でなくなってまもなく30年。てことはフリーランスになって30年。 いま会社ってどんな仕…

さとしとさ
5か月前

あなたの名前はなんですか?2024年6月18日

6月18日の「虎に翼」。今日はみごとに名前の回でしたね。 はじめて顔をあわせた人を「おっさ…

さとしとさ
5か月前
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「虎に翼」の参考文献じゃないか?と思えるほど強烈な「問題だらけの女性たち」

もうホントに「虎に翼」が素晴らしくて、毎日数回録画を見直してはふかく感動のため息を繰り返…

さとしとさ
6か月前
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想像もできない<現実>と向き合えるのか〜「正欲」

この映画の彼女は、もうガッキーなんかじゃない。女優・新垣結衣なのだ。 ラスト数分の、稲垣…

さとしとさ
8か月前
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蜜柑を巡る、「ない」ことと「ある」ことの物語をふたつほど

みかん…ミカン…蜜柑。 蜜柑がおいしい季節です。 そんな蜜柑がもっと美味しくなる(かもしれない)お話をふたつ。  村上春樹の短編「納屋を焼く」に パントマイムを習っている女の子が出てきます。  男性の前で延々と<蜜柑むき>の パントマイムを繰り返します。  「納屋を焼く」を映画化した映画「バーニング」(監督:イ・チャンドン)にも <蜜柑むき>のシーンがあり、 ヒロインのチョン・ジョンソが 蜜柑むきのパントマイムを見せてくれています。  文章ではするっと流れてしまう蜜柑