「こじらせ」を考える(終) うまくいかない自分を責めずにいたわってあげて
疲れてしまった人に対し何と言うべきか
婚活を自分なりに頑張ってみたけどうまくいかないことばかりで疲れてしまったから休みたい、あるいはもうやめてしまいたい、と悩んでいる人に対して、仲人やカウンセラーといった人たちは何を言うべきでしょうか。
「今が一番若いのだから、弱音を吐いている暇があれば動くべき!」
これは良くないと思います。きっと同じことを思ってがむしゃらに取り組んできた結果として、今のように疲れ切ってしまったのですから。
「活動はいったんお休みして、自分磨きのトレーニングをしてから再挑戦しましょう!」
これはどうでしょうか。この間まで私はこれが正解だと思っていましたし、再挑戦してうまくいったならそれが正解で良いと思います。一方で、既に疲れてしまった人がトレーニングに励むことができるでしょうか。思うように伸びず苦しむこともあり得ます。
「いったん活動を休んで自分をいたわってあげて下さい。今後どうするかはその後で決めましょう。」
それが最適な答えではないか。最近はそう思います。
参考文献:
「セルフ・コンパッション 有効性が実証された自分に優しくする力 新訳版」クリスティン・ネフ(金剛出版)
自分をいたわる
結局、婚活をしているからこんなに苦しくなるのならばやめてしまえ!と思って本当にやめてしまったらどうなるでしょうか。最初は解放感があふれるかも知れませんが、「このまま一生孤独なのか」と、活動をはじめるきっかけになったものがより深刻に心にひっかかり、ずっと苦しむことになるかも知れません。
かといって辛い気持ちのまま活動を続けていても、お相手と向き合った貴方は表情には余裕の無さが出てしまっているでしょうし、相手のちょっとした言動を悪くとらえてしまいがちになっていると思います。
「まずは自分に優しくできなければ、他人にも優しくなれない。」
それはわかる気がするのだけど、ではどうすれば良いのかというと意外と難しいです。
努力しているのにうまくいかないことばかり続く時は、「どうして自分はこうなんだ!」「なんで自分ばかり!」「何をやってもダメだ!」と、さんざんに自分を責めてしまいます。
だったら「自分ならできる!」とひたすら前向きになれば良いのかというとそういうわけでもなく、自分がいま感じている辛さや苦しみもありのままに見つめた上で、他人にするのと同じように自分自身にも優しくしましょう。この本ではそのように説いています。
心を開き敬意をはらう
自分自身を粗末に扱ってしまっている人たちの前に、自分のことを大切にしてくれる人が現れたらどうなるか。変な言い方ですが、自分自身が信用していない自分のことを好きになってくれる相手の言うことなど信じることができず、遠ざけてしまうかもしれません。これで幸せになれるはずがありません。
まずは自分自身を大切にしなければ、自分も幸せになれないし、自分に関わってくれる人も幸せにできない。至って当たり前のことのようですが、前述の本の著者、クリスティン・ネフも書いている通り、「自己犠牲」を美徳とする社会で、最も大切な自分自身への愛情はおろそかになっていったのかも知れません。
私もずっと自分に自信が無かったのですが、人の言うことを素直に聞くことはできていたので、自分のことを尊重してくれる人たちに支えられ、数年前からようやく、自分自身に優しくすることができるようになりました。それからは気持ちがとても健やかになりました。
うまくいかないで悩んでいる方、焦りやいらだちを引き起こすものからはいったん距離を置いて、どうか自分をいたわってあげて下さい。挑戦するのはその後からでも良いと思います。