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2040年活躍人材に必要な3つの能力と、アントレプレナーシップ教育が役立つ4つの理由

どんどん社会の形が変わっていく今、たとえば2040年に活躍する人材像とその条件も、いまとは全く違うものになりそうです。それに合わせた教育が必要になるのは自明です。

未来のことですから、明確な「条件」として提示するのは困難ですが、遠くない将来の社会で求められる能力や特性を、現在進行中の技術革新や社会変化を整理して、「2040年に活躍する人材が備える3つの能力」としてまとめました。


1. AIと共存し、活用するための分析力、解釈力、批判的思考能力

もうすでに始まっている話ですが、デジタルリテラシーとデータ分析力がとても重要な時代になってきました。AIや機械学習はデータ駆動型です。大量のデータを分析し、解釈し、意思決定に活かす能力が不可欠です。  これは、多くの職種で求められる基礎スキルとなります。
世界経済フォーラム「The Future of Jobs Report 2020」でも、データ分析と解釈、批判的思考が今後重要となるスキルとして挙げられています。  
AIアシスタント、自動化ツールなどを効果的に活用し、自身の生産性を向上させる能力が当然のものになりそうです。
これは単なる操作スキルだけでなく、AIの限界やバイアスを理解した上で、それを利用する能力です。
AIを最大限に活用するためには、AIに適切な指示を与える能力や、AIによる出力結果を評価・修正する能力が広い職種で問われることになります。
これらは Gartner社のテクノロジー予測レポートで繰り返し述べられています。

このように全般的に、事務職で必要とされる学力・思考力のレベルが高くなると予想します。
結果、マネジメント層にいくには、大学院卒が基本になるでしょう。
もうすでに外資系企業の一部は大学院卒でなければ、管理職に就けないケースが増えています。

2. 人間だけが有する能力が高いこと

AIは効率化に役立ちますが、複雑で曖昧な問題、創造性を必要とする問題解決は人間の得意分野であり続けます。そこで人間だからこそ、の人間固有能力に注目が集まるでしょう
OECD始め多くの研究機関が、人間固有の能力(創造性、問題解決能力など)が今後ますます重要になると指摘しています。

たとえばコミュニケーション能力と共感力ですね。
人間関係構築、チームワーク、顧客対応など、人間同士のコミュニケーション能力はあらゆる職種で重要です。  AI時代においても、共感力や他者理解は人間関係を円滑に進めるために不可欠です。先にも引用した世界経済フォーラム「The Future of Jobs Report 2020」でも、コミュニケーション能力と協調性が、今後ますます重要となるスキルとして挙げられています。

そして、常に新しいスキルを学び続けるために、 変化への柔軟な対応力と継続的な学習意欲が不可欠です。

3.高い倫理観と責任感

AI技術の活用には倫理的な問題が伴います。AIの出力結果を批判的に評価し、倫理的な観点から適切な判断ができることが求められます。
実際、AI倫理に関する議論が活発化しており、AI開発・利用における倫理指針が各国で策定されつつあります。たとえばEUは「AI Act」というAI開発・利用に関する倫理指針を定めました。
特に、AIを介した業務においては、その結果に対する説明責任が求められるケースが増加します。「AIが出力したから」と言い訳するようでは話になりません。自身の行動や判断について責任を負う姿勢が重要です。
今後、企業のコンプライアンスやガバナンス強化の流れと関連して、従業員個人の責任意識の重要性が強調されていく流れになりそうです。

3つの能力を統合するマインド=起業家精神

以上3つの能力は相互に関連しており、単独ではなく総合的に身につけることが重要です。
分析力、解釈力、批判的思考能力を有し
人間固有の能力(創造性、問題解決能力、コミュニケーション、共感力)が高く、
高い倫理観と責任感
を有する人材の育成に、起業家精神教育=アントレプレナーシップ教育が有効だと考えます。 

2040年活躍人材育成にアントレプレナーシップ教育が不可欠な理由4つ

アントレプ教育は、次の理由から、分析力や批判的思考、人間固有の能力、倫理観と責任感を兼ね備えた人材を育成する上で効果的です。

1. 分析力・解釈力・批判的思考の育成

アントレプレナーシップ教育では、ビジネス環境の理解やリスク管理、意思決定プロセスが重視されます。起業に関わる課題や不確実性に対処する際、多角的な視点から情報を分析し、最善の解決策を見出す力が養われます。また、経験からの学びを重視する教育プログラムにより、実際のビジネスケースに基づく問題解決を通して批判的思考が深められます。

2. 創造性と問題解決能力の強化

起業家教育では、新しいビジネスアイデアを構築するための創造的思考が必要です。アントレプレナーシップ教育は、革新的なソリューションや新しいサービスの開発を促し、学生の創造性を引き出します。ま実際の課題に取り組む機会も多いので、問題解決能力が強化されます。

3.コミュニケーション力と共感力の向上

アントレ教育におけるチームでのプロジェクトやネットワーキングの機会を通じて、他者との協働におけるふるまいやリーダーシップを養います。ビジネスプランやプレゼンテーションを行う中で、効果的なコミュニケーション能力はもちろん顧客や社会に対する共感力も培われ、倫理観や社会的責任に対する意識が高まります。

4. 高い倫理観と責任感の醸成

アントレプレナーシップ教育では、持続可能なビジネスモデルや社会的責任の重要性を題材にして、学ぶ機会が増えています。倫理的な判断力やビジネスにおける責任感を育むことができます。2040年活躍人材育成となる今の子どもたちに、起業家になるかどうかに関わらずアントレプレナーシップ教育が必要だと考える理由は以上の通りですが、共感していただけましたでしょうか?

アントレプレナーシップ教育は、単に起業家を育成するだけでなく、「あらゆる分野で活躍できる人材育成」に不可欠なものです。
2040年、そしてそれ以降の社会は変化が激しく、さもすれば時代や社会に飲み込まれてしまうような状況があるかもしれません。
どんなときでも、
子どもたちには、夢を叶えて日々幸せに、自分らしく生きてほしいと願いますよね。
アントレプレナーシップ教育は、そんな願いを実現するための、効果的な手段でもあります。

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