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今年の振返り〜「喪失感」を乗り越えて

今年の春、息子の大学卒業と就職という大きな転換期を迎え、それに伴う「空の巣症候群」と向き合ってきたこの1年。底知れぬ「喪失感」から息子との関係を再構築する時間を過ごしていました。今回は、その軌跡を振返ってみたいと思います。

巣立ちの日

2024年3月下旬、息子の大学卒業式。晴れやかな笑顔で卒業証書を手にする息子を見つめながら、わたしの胸には誇りと寂しさが入り混じっていました。

2020年コロナ禍の影響で、高校の卒業式も大学の入学式も参列することが叶わず…
息子の晴れ姿を見届けるのを楽しみに、そして、母としての「けじめ」の意味も込めて、お着物で参列することに。

シングルになって7年、この日を無事に迎えられたことに感慨深いものがありました。

雨の多摩キャンパス

入学からまる2年間、行動制限で通学もアルバイトもままならず、
就活相談でも、「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)のネタになるような経験談がないとこぼす彼らを、とても不憫に思っていました。

そんな中、就活もなんとか乗り越え、志望していた金融機関への就職を果たした息子。

一緒に選んだ紺のスーツも、とてもよく似合っている。
その姿は、立派な社会人。
「わたしの役目は、もう終わったのかも…」
そんな思いが胸をよぎりました。

「空の巣症候群」との闘い

息子が就職し、完全に独立した生活を始めた頃、わたしは「空の巣症候群」の症状に陥りました。長年、息子のために生きてきたわたしにとって、想像以上に大きな喪失感をもたらしました。

もう、仕送りしなくていいんだ。
もう、学費も振り込まなくていいんだ。
もう、ひとりで頑張らなくていいんだ…。

張り詰めた糸がプツン、と切れたような感覚になりました。

忘れられない初任給ランチ

時折、虚無感に襲われながら過ごしていた5月の連休前、
息子から「今度お食事でも!」とLINEがありました。
なんと、初任給でご馳走してくれると言うのです。

彼が選んだのは、少し贅沢なフレンチレストランのランチコース。
息子の晴れやかな表情を見ながら、優雅なひとときを過ごしました。

息子とのデートを生きがいに頑張ってきましたが、いつの間にか「ご馳走される側」になり、母としてとても誇らしく思っています。

どのお料理も本当に美味しくて、雰囲気もとても素晴らしく、
生涯忘れることのない宝物になりました。

喪失感を乗り越えて

このランチを通じて、わたしは気づきました。息子の巣立ちは、親子関係の終わりではなく、新しい関係のはじまりなのだと。

互いに独立した大人として、尊重し合い、支え合う。

そんな新しい「絆」が芽生えはじめたのです。

来春、大切な我が子を送り出すご家庭も多いと思います。
真剣に我が子に向き合ってきたからこそ、大きな喪失感に襲われてしまうかもしれません。

そんな時は、新しい趣味や活動をはじめたり、
家庭の外に自分の居場所を作ったりして
親御さんご自身の人生を充実させるようにしていただきたいです。

わたしも、心身の健康に気を配りながら
これからの人生を彩り豊かなものにしたいと思います。

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りえ|AIキャリアライター
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