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今さら聞けない音楽用語

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よく聞く言葉だけど うまく説明できない…、何のことだっけ?… となりがちな音楽用語の中から、特にアナリーゼの際に必要、そして演奏に役立ってくれるであろう用語をピックアップします。
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2020年12月の記事一覧

今さら聞けない音楽用語【第9回・倍音②】

今年最後の記事は、先週の倍音①の続きです!

倍音列から和音ができている!

前記事では、基音ー第2倍音の1オクターブと、第2倍音ー第3倍音の完全5度が音階の基礎となっていることを解説しました。

しかし、倍音から生まれたのは音階だけではありません!

第3倍音以降の音を重ねてみます。
以下の譜です。第13倍音まで重ねてみました。

飛ばした4、6、8、10、12倍音は既出の等類音(音域が違っても

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今さら聞けない音楽用語【第8回・倍音①】

今日のテーマは「倍音」です。

管楽器や弦楽器をやる方は、ハーモニクス(倍音奏法)があったり、同じポジションで倍音列を出せたり、ということがあるので、身近な話題かもしれません。
また、最近はやたらと「倍音豊かな〜」のようなキャッチフレーズをよく見かけるようになったので、そこで知った方もいるかもしれませんね。流行ってます。

ここでは、倍音を音楽理論的観点から解説します。
何だか難しそうですが、大丈

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今さら聞けない音楽用語【第7回・終止形】

本日は「終止形について復習したい!」というリクエストにお応えしての記事です。

「終止形」とは、フレーズの最後を締める、または区切る「句読点」のようなもので、音楽では和音の進行で表します。この終止の仕方によってだいぶフレーズの印象が変わります。

ここでは、特に覚えておきたい4種の終止形、
また番外編でいくつか紹介したいと思います!

1.全終止最もポピュラーで王道なのは全終止です。
Ⅴ→Ⅰの連結

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今さら聞けない音楽用語【第6回・フーガ②】

先週の「フーガ①」の続きです。

今日はもう少し細かく、特にバッハを例に解説しようと思います。

「フーガを書きたい!」となったらまた話は別ですが、
「フーガを知りたい!」と言うなら、やはりバッハの「平均律クラヴィーア曲集」を見るのが一番だと思います。まさに芸術的フーガのカタログ!

平均律~の分析は、
市田儀一郎 著『バッハ 平均律クラヴィーアⅠ, Ⅱ』(音楽之友社)
という素晴らしく立派な本が

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