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ゴールデンウィークとPUFFY

ゴールデンウィークの思い出。

14歳のわたしは自転車を漕いでいた。最寄駅直結のビルにある、TUTAYAで借りたCDを返しに行くために。

シングルCDを一泊二日100円で借りてカセットに録音。歌詞を見ながらカラオケで歌えるように何度も練習して。ときは1998年。CDが最も売れた年のあるあるだ。

雲ひとつない青空。暑くもなく寒くもなく、大嫌いな湿気でくせ毛がうねることもない。至るところで花が咲き乱れ、若葉がそよぐ。風が背中を押してくれる。

気分上々。口ずさんでいたのはPUFFYの『渚にまつわるエトセトラ』。

ハリソンフォードを見るとラッキーガールになれるの?そもそも誰だか知らないけど、まあいいや。

あの独特なリズムと、分かるようで分からないようなリリック(今見ると”分からないようで分かるような”に変わった)は、ゴールデンウィークの気候に似つかわしかった。

大人ぶった子供、ペダルを漕ぐ。

カニ食べに行くどころか、このままどこまででも行きたい。行ける気しかしない。帰りたくない。

と、大事なことに気づく。

CDをラジカセに入れたままじゃーん!!

現実に、急に引き戻された瞬間。ため息をついてUターン。

だけど不思議。

引き返した場所まではっきりと覚えている。

自由を手にするのは、それからだいぶ後のことでした。

それにしてもPUFFYとかSPEEDとかDA PAMPとか。思い出すだけで胸がキュンとなる。

恋をしていたからかなあ。



憧れの街への引っ越し資金とさせていただきます^^