【キーワード】で振り返る2020年の社会とリディラバ:社会はどう変化し、私たちはどう変わってきたのか
みなさんこんにちは!今年も残すところあと数日。誰にとっても本当に激動の2020年だったと思います。
私たちリディラバも、今年は新型コロナウイルスによる大きな影響を受けながらも、新しい事業をスタートさせたり、創立11年を迎えてのリブランディングなど大きなチャレンジをしてきた1年でもあります。
今回は、社内の声を元に今年1年をキーワードとともに振り返るとともに、2021年社会はどう変化していくのか、そしてリディラバは何を目指していくのかをお届けします。
【破壊と創造】新型コロナウイルスによる大打撃と新事業の立ち上げ
2020年最大のニュースといえば、新型コロナウイルスの出現でしょう。多くの旅行業やイベント業が影響を受けたのと同様に、これまで「スタディツアー」や「カンファレンス」といった事業も展開していたリディラバにとって、事業的に大きなショックを受けました。
そんな、緊急事態宣言が発令された4月頭、リディラバにとって大きな挑戦が始まります。
無料で、30日連続毎日社会問題を考える、前代未聞のライブ勉強会「リディズバ」をスタート。後半は社会課題解決のトップランナーの方にお越しいただき、安部との対談を通して日々様々な社会問題について考えました。30日間を駆け抜けてみれば、のべ7,850人の方にご参加頂き幕を閉じました。
そしてリディラバ社内でも兼ねてからあった「社会問題を日常的にみんなで学び続ける場所がない」という問題意識と、「こんな場をもっと続けて欲しい」という多くリディズバ参加者のみなさんの声に支えられ、5月には社会問題を考えるみんなの部活動「リディ部」が発足!!今は約150名ほどの部員が所属し、社会問題について学ぶ動画や記事などのコンテンツ、SNSでのコミュニケーションや社会課題を解決するプロジェクトを行っています。
週末にライブ勉強会のアーカイブ動画をまとめて見ることで問題同士の連関に気づけるようになったという人、社会問題を子供たちにわかりやすく伝える絵本作りのプロジェクトに参加し、社会問題への知見を深めるとともに社会的意義のある活動に挑戦する人など、1人1人が持つ社会への小さな優しい関心を、リディ部の活動を通してより深い知識や具体的な行動へと昇華させています。
社会問題を学ぶみんなの部活動「リディ部」
リディ部は「誰かの困りごとを、次の時代の手がかりに」を合言葉に、
社会問題について学び合う、オンラインコミュニティです。
主に、水~金曜日の夜におこなうライブ勉強会と、
週末のオンライン自習室、Facebook非公開グループでのコミュニケーションや社会問題解決のためのプロジェクトを活動の中心としています。
👉👉リディ部の詳細・申し込みはこちらから👈👈
【再生】コロナショックを乗り越えたい
一方、新型コロナウイルスでもともと予定していた集合型の研修やツアーが軒並み実施できなくなってしまった企業向け人材育成サービス「Field Academy」。送り出し元企業の人事の皆様と一緒に議論を重ねながら、今年はオンラインとオフラインのハイブリットで実施しました。
フードロスをテーマに、普段交わらない企業人同士が知恵を出し合い、本気で社会課題解決に向けての提案を作成。参加者たちは社会課題への越境体験から得た気づきや学びを、日々の仕事に生かしています。
毎年開催していた日本最大級の社会課題カンファレンス「R-SIC」という事業。今年は池袋サンシャインのホールを借り、盛大に実施する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により泣く泣く会場をキャンセル。開催の是非に議論を戻し、最終的には名前を「リディフェス」に改め、オンラインにて開催!
プレイベントを合わせ合計23セッションを開催。のべ1,200人の方にご参加頂き初のオンライン開催ながら熱狂を感じる2日間となりました。
中高生が社会課題について触れるきっかけとしての「社会問題スタディツアー」。今年は行事や修学旅行の中止を選択する学校も多く、学校の先生方や生徒、私たちにとっても非常にもどかしい1年でした。現在もコロナ第3波の影響は色濃く、まだキャンセルが続く厳しい状況です。そんな中、コロナ対策を実践しながら、「屋外メイン」かつ「都市部を避け学校から近距離」での社会問題スタディツアーを12月に実施することができました。社会問題や地域の課題を現場から学びとり、真剣にその解決策を考え抜く生徒達の姿を見て、次世代を担う彼らへの機会提供への決意を新たにしました。
感染状況を鑑みながらではありますが、社会問題スタディツアーの完全復活の日を目指し、現在京都・沖縄など新エリアでのツアー催行も進めています。
【挑戦】全社フルリモートへの挑戦、社会課題解決への挑戦
今年から取り組みを始めた企業も多いであろうリモートワークのシステム。リディラバではこれまでも一部リモートワークを認められていましたが、緊急事態宣言を受けた4月、全社員が原則としてフルリモートワークになりました。この判断は恒久的なもので、実際に2フロアあったオフィスも1フロアに縮小。最大出社人数も同時に6人までと決めて運用しています。
フルリモート導入当初は、オフラインでの偶発的なコミュニケーションが減ることによるデメリットも懸念されていましたが、さまざまなシステムの導入や新しいコミュニケーションの方法を模索しながら、時に感染対策をしてオフィスを有効利用することで、より生産性高く、より質の高いコミュニケーションが取れるように、メンバー全員で創意工夫を重ねてきました。
そしてフルリモート化に伴って、社員の働き方、働く場所も多様に。今年1年で出産を経て復帰した社員、子育てや副業と両立しながら働く社員、地方へ移住した社員など、皆がさまざまな形で活躍しています。
また、これまでリディラバは10年以上にわたって、より多くの方が社会課題を身近に感じ当事者意識を持つことができるよう、社会課題の「社会化」を促す(当事者以外の人の関心を生み出す)ために、主にツーリズム(スタディツアー)・ジャーナリズム(リディラバジャーナル)に事業として取り組んできました。しかしさらに一歩進んで様々な社会課題を「解決」していくためには、意識や関心を向けるだけでなく、解くべき課題を明確化し、そこにヒト・モノ・カネを投下して具体的なアクションを起こしていく必要があります。リディラバではこれを、社会化のあとに必要な「資源投入」の段階と呼んでいます。
この「資源投入」を、企業、官公庁、そして社会課題の現場で当事者に寄り添うソーシャルセクター(NPO、ソーシャルベンチャー等)の協働を通じてより積極的に生み出していくため、「事業開発チーム」が誕生。今では社内1の大所帯となり、社会課題解決への資源投入にもさらに力を入れています。
【刷新】12年目のリブランディング
2020年9月16日、リディラバは11周年を迎えました。12年目に向かってスタートを切るにあたり、ロゴとステートメントを一新しました。
社会課題は当事者だけでは解決が難しいからこそ、直接関係のない人たちの関心が必要と考え、「社会の無関心の打破」を掲げて社会課題と向き合ってきたリディラバ。この11年でSDGsという考え方が広がり、また企業が社会課題解決に乗り出すようになったりと様々な変化が生まれました。そして、これから我々はどんな社会を目指していくのか。NEWPEACE代表高木新平さん、the Breakthrough Company GO砥川直大さん・小川貴之さんと共に議論を重ね、リブランディングへと至りました。
(リブランディングの裏話はこちらからご覧いただけます👇)
【再考】社会問題とメディアの関係
今年1年、多くのメディアでさまざまな社会課題が取り上げられてきました。
連日のニュースで報道されるのは、新型コロナウイルスに関連して夜の町への営業自粛要請、持続可給付金の問題、非正規雇用者の問題や自殺者問題など。新型コロナウイルスは「しんどい人をよりしんどい状況に」追い込む構造が見えてきました。
またtwitterでは「 #BLM 」「 #先生死ぬかも 」「 #緊急避妊薬を薬局で 」 などさまざまな社会問題に関するハッシュタグを目にすることも増えました。
最近だとWebメディアcakesにおけるDV・ホームレス記事炎上問題など、社会問題に関する発信が増えた一方、どう発信したら良いのか不安に感じた。という人もいるかもしれません。
社会問題に関心を持ってもらうための活動をするリディラバにとって、炎上を気にしすぎて社会問題について語る機会が減ってしまうことは避けたいことです。一方で、社会課題を扱うにはやはり当事者への配慮と構造的に物事を見る視点を大切にする必要があるのではないかと思います。
今後もリディラバが運営するWebメディア「リディラバジャーナル」を通して、社会問題とメディアの関係性は問い続けていきたい重要なテーマです。
■「社会課題の現場をメディアはどう伝えていくべきか」をテーマに、津田大介さんと対談を実施👇
■リディラバジャーナルにかける編集長・安部の思いはこちらから👇
2021年のリディラバは?
新型コロナウイルスと共存する生活は、まだまだ続いていくことでしょう。2020年はしんどい1年だったという人も多いかもしれませんが、みんなが新型コロナウィルスという社会課題の当事者になったからこそ、他者の痛みに目を向けやすくなったとも言えるのではないでしょうか。
リディラバはこれまで見てきたとおり、みなさんと同様に2020年は苦難と挑戦の年でした。一方で、いつもに増して様々な個人・企業・団体のみなさんから、私たちの活動に関心を向けていただき、応援の声や気持ちを本当に多く受け取ることが出来ました。「社会の無関心を打破」したい、「優しい関心のネットワーク」を作りたい、そう願いながら活動を続けるうち、いつの間にか私たち自身も、何度もみなさんからの優しい関心に助けられていました。本当に感謝しかありません。この事実に大きな手応えを感じつつ、この優しい関心の輪が広がることで救われる人が1人でも増えるよう、リディラバは2021年も「みなさんと一緒に」あらゆる社会問題に向き合い続けていきたいと考えています。既に動き出している具体的な取り組みは、このnoteを始め、よりタイムリーに発信してまいります。
来年もリディラバをよろしくお願いいたします!
今年1年リディラバを応援頂きましてありがとうございました!!