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HEAD PHONES PRESIDENT ロックミュージカル『COLORS』出演後記5

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舞台『COLORS』第1部でさずかった二つの大役ーその1

『COLORS』での私の役はロックボーカルだと連載第2回で話したが、実は他に二つの(私的には)大役を、仰せつかっていた。

まず一つは、第1部に登場した、物語の鍵を握るアコースティックユニット「TRUE COLORS 」のコーラス&キーボードの莉久(りく)役。

アコースティックユニット「TRUE COLORS」

ボーカル拓哉の役は、シンガーソングライターでパーカッショニストの坂口勝さん。
ANZAさんと同時期にレ・ミゼラブルに出演していた役者さんでもある。

人前でキーボード弾きながら歌うなんて慣れないもんで、体に覚えてもらうの大変だったよ。(実際の演奏はピアニストの美佳さんが弾いています)

そして挑んだ本番。
拓哉の温かく優しく、ときに力強い歌声に乗せ、莉久らしいアプローチでコーラスを重ねる時間は、不思議と私は莉久だった。

私の声で歌う私ではない誰か

誰かになって歌うこと。
実は現在の自分のバンド「SPIRALL GATE」でも、私は私でない誰かになっているつもりだった。
でも、その誰かは自分がつくりだした誰かで、私の意識の中に存在するキャラクター。つまり私の中にいる誰かだ。

今回の舞台で、私の中には存在しない人として歌ったことで、表現の引き出しがちょっとだけ増えたように思えた。
莉久ならこんな声で歌う、拓哉との関係性から、こんな風にアイコンタクトする……ひとつひとつの所作を考えていく作業は、今後の自分の作品に間違いなく生きると思った。

あれ、今後の活動のハードル上げたか?


そして、もう一つの(私的には)大役も、第1部の中にあった。

きっとお客様は誰も気づいていない。
なぜなら……

次回へ続く


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