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【ベスト3アルバム】1981年4月〜1984年3月②
はじめに
前回は中学生の頃に聴いていたアルバムの中から、「当時ベストだと思っていたであろう3枚」を選びましたが、今回は「いま客観的に考えてみるとベストだったと思う3枚」を選んで紹介しようと思います。
前回の記事はこちらです。
いま客観的に考えてみるとベストだったと思う3枚
できるだけ想い出補正を排除して、「これは本当に良いアルバムだなあ」と思えるアルバムを選びました。結果的に「当時ベストだと思っていたであろう3枚」とは1枚も一致していませんが、その理由は当時は音楽的指向が偏重していたからであり、前回の記事で書いたChina Crisis、Yazoo、Howard Jonesの作品の輝きが実は弱かったという訳ではありません。
1位:Power, Corruption & Lies (New Order)
![](https://assets.st-note.com/img/1667744681710-KAD8xq2SqH.jpg)
イギリスで大ヒットした"Blue Monday"や"Confusion"は入ってないし、他のエレクトロポップよりもギター多めだしで、当時はちゃんと聴いていませんでした。というか、New Orderはこのアルバムからリアルタイムで聴いていたのに、正直言うと1987年の"Substance"までは真面目には聴いていませんでした。
ただ、今聴き直してみると、New Orderというフォーマットはこの時点で既に完成完成されていることに驚き。また、シンセサイザーもちゃんと鳴っているし、何でこのアルバムを聴かなかったんだろうと我ながら謎。
彼らの全ての魅力が詰まった"Age of Consent"で始まり、"Blue Monday"のシーケンスパターンをリサイクルした"586"、電子音を前面にフィーチャーした"Your Silence Face"、彼らのダークサイドを楽観的に表現した"Leave Me Alone"など、シングルは収録されてないけれど佳曲が多いアルバムです。
2位:The Hurting (Tears for Fears)
![](https://assets.st-note.com/img/1667744703958-obZ9bzR5Au.jpg)
Tears for Fearsの作品は、"Shout"や"Everybody Wants to Rule The World"などのメガヒット曲が収録された"Songs from The Big Chair"が音楽的なカバレッジが広と思いますが、全編を通して同じ温度感を貫き通したこの1stアルバムがマイベスト。
メランコリックなメロディとアコースティックギターの「ジャラーン」という音が印象的な"Pale Shelter"やダンサンブルなアレンジが施された"Change"など、明と暗の間を自由自在に行き来し、嫌らしさのない知的さで詰め寄ってくる重さは独特。ヒットした3曲のシングルのデキはもちろん良いですが、個人的には"Start of The Breakdown"がベストトラック。
難解ではないものの、中学生にとって取っつきやすくもない音なので、リアルタイムではその良さに充分認識できなかったけれど、"Songs from The Big Chair"で見せたトランスフォームの後に聴き直してみたら、その淡々とした狂気と重さにガッツリ心を持って行かれました。数十年が経ったいま聴いても、当時の輝きが失われていないエレクトロポップというのも驚異。
3位:Colour by Numbers (Culture Club)
![](https://assets.st-note.com/img/1667744756145-NlYnXpGxwk.jpg)
"Do You Really Want to Hurt Me"の大ヒットでシーンに躍り出たBoy Georgeは存在そのものが80年代的な紛い物っぽい香りがプンプンする訳ですが、満を持してリリースされたこの2ndアルバムは「本物」。さすがに今聴くと、随所に時代を感じさせる部分があるものの、このアルバムの楽曲はそんなことを吹き飛ばすくらいにエネルギーに満ちています。
メロディの爆発力が半端ないリードシングルの"Karma Chameleon"、ソウルフルでパワフルな女性コーラスが印象的な"Church of The Poison Mind"等の元気系ポップな曲があるかと思えば、シッカリとボーカルを聴かせるバラードやゴスペル調の曲があったりと、アメリカ音楽の影響を強く受けたカラフルな内容。
当時はシングル以外の曲はちょっと敬遠気味だったんですが、改めて聴いてみるとアルバムにメリハリを付ける役割を果たしていたり、深みを与える役割を果たしていたりと、クオリティ高し。日本版のレコードにはA面の最後に名曲"Time (Clock of The Heart)"が入っていてお得感あり。サビの切なさはグッときます。
おわりに
今回は「いま客観的に考えてみるとベストだと思う3枚」を選んでみました。New OrderとTears for Fearsは今聴いても充分に耐えられますが、Culture Clubはさすがにちょっと時代を感じてしまいます。ただ、聴いた瞬間に耳が釘付けになるような良質のポップソング満載のこのアルバムは、今聴いてもベスト3に入るクオリティを持っています。