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「グローバル・少数精鋭で、スピード感を重視」PMが語るリチカの開発体制

リチカの開発GroにてPMを務める上野翔さん。実はメンバーの中で最も社長の松尾さんとのつきあいが長い1人でもある。初期メンバーとして会社をともにつくってきた上野さんの経歴、そして今のリチカでの開発の醍醐味について聞いた。

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「あだ名がコナンなんですよ」。上野さんはまずそう笑う。大学のブルース研究部に入部した時に松尾さんが2つ上の先輩で、あだ名をつけられたのがはじまりだ。学生のうちから精力的に音楽活動をしていた上野さんは、バンドをやりながらも就活をし、新卒では金融系のシステムを作る会社に入った。「SEをやってたんですが、銀行系のシステムって失敗が許されないので開発環境も厳しいし、スケジュールも詰まってくる。同じフロアの人たちの顔がだんだん辛そうになっていくのを見てたら、4年目でふと『この先どうしようか』って思い始めちゃったんです」

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会社を辞めるか悩んでいる。そんな話を大学の先輩にしたら、それが回り回って松尾さんの耳に入り、飲みに誘われた。「『コナン辞めるんでしょ?だったらうち手伝ってよ』って渋谷の餃子屋で言われて、転職することにしたんです」。まだカクテルメイク(旧社名)が立ち上がって間もない頃。池ノ上駅徒歩0分のマンションの1室がオフィスだった。

金融系SEだった上野さんだが、入社していきなりサービス紹介動画の絵コンテを作るなど、手探りで仕事をみつけていった。「今でこそちゃんとした『組織』になってますが、当時は営業も制作もなんでも一人でやってましたね。あと、松尾さんに言われてすごい覚えてるのは、『音楽編集できるなら動画編集もだいたい同じでしょ』って(笑)。それでとにかく見様見真似でソフトを触って、覚えていきました」

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事務所が1回目の移転をしたタイミングで、社内は営業部と制作部に分かれた。上野さんは制作部の一員として動画制作の進行管理などをしていたが、次第に自分でも手を動かすようになる。当時は少年マガジンやKADOKAWAのYouTubeチャンネルの立ち上げ、AbemaTVの生放送の配信など大型の案件も手掛けていた。「数百万かけて準備した配信機材で、年間100本とか生配信もしてました。あとは松尾さんに『コナン、0→1力高いから、Vtuberモデリングからできるでしょ』って言われて、3Dモデルのソフトを猛勉強して触ったりとか……」。有名Vtuberの立ち上げに関わったこともある。それから、リチカのオリジナルVtuber「めんたいこ」のモデルの製作、デザイナーへの依頼、コンセプトの作成などにも関わった。

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「実はまだ、この会社にはできることがたくさん眠ってるんだと思うんですよ」という上野さん。松尾さんのリクエストにも次々と対応しながら、会社の成長とともにどんどん上野さんの役割も変わってきた。2017年4月にリチカ  クラウドスタジオのβ版がリリース。しばらくは社内にリチカ クラウドスタジオとYouTubeの2つの事業部があったが、一本化したほうがいいのではという方針のもと、2019年の夏にYouTube事業は終了。全員がリチカ クラウドスタジオの開発に合流した。

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「最初はリチカ クラウドスタジオに搭載されてる動画を開発しているクリエイティブセクションに入ったんですけど、2~3カ月してまた組織を再編するタイミングがあって。実はその時、クリエイティブの中でどうやって力を発揮したらいいか悩んでたんです。そのときに松尾さんが『前職SEだったんなら、プロダクトってのもありだよね』ってぽろっと言ったんです。たしかにそうだなと自分でも納得できました」

前職とは違う開発スタイルだったが、プロダクトにジョインし、2020年のはじめからリチカ クラウドスタジオのPMを務めることになった。「松尾さんのあの一言があって、すごくよかったなって今思ってます」と思い返す上野さん。入社以来、細かいものも含めたら10回ほど社内で異動してきたが、ついに確固たる居場所を見つけた瞬間だった。

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社長の松尾さんも、ビジネス側の責任者の中西さんも、上野さんについて「開発の中でも特にコミュニケーションが取りやすいし、すごい」と評価する。クライアントによって求めるコミュニケーションは少しずつ変わるが、上野さんは幅広い視点を持って提案することができるという。「確かに思い返すと、YouTubeの時も動画を作ってただけじゃなくて、そこからリーチを広げるためにTwitterを研究したり、他のチャネルについてもいろいろやれていたのがよかったなと思います。PMになる前の経験もすごく活きてるなって感じますね」

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PMとして開発に入ってみると、エンジニアがほぼ海外におり、テキストのみでコミュニケーションし、開発が進んでいくことに驚いたという。ちょうどリチカ クラウドスタジオの顧客が爆発的に増え、問い合わせや要望なども増加した時期。「タスク管理ツールの中で『これお願いします』って言うと、1日や2日でガンガン返ってきて、連絡がひっきりなしに来て『うわ、これどうすればいいんだ』みたいに最初の3~4カ月は思ってました」と上野さん。

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しかしその時期を経験して、今は慌てなくなったという。「もちろん、システムが安定稼働するように整えたというのもあるんですが、『ここを外しちゃいけない』っていう重要な部分だけは必ず守ると決めて進められていれば、そこまで焦らなくても実はいろいろと事は回る。それがわかったというのが、1年間やってみて一番大きいことかもしれないですね」

1年間やってきて、上野さんから見てリチカのプロダクトチームはどんなチームですか?と聞いてみた。「とにかく少数精鋭でいくのが前提で、基本的にエンジニアは海外の方になるんですが、それでも2020年の1年間で、3倍ぐらいに増えたんです。20人ぐらいになったのかな。そこまで増えたとしても、闇雲に増やすのではなくて、合う人、合わない人の判断はすごく早くしています。あとははじめ、ほとんどの方と直接お会いしたことがなくて、テキストのみのコミュニケーションはキツイのかなと思ってたんです。でも今はテキストでどうコミュニケーションしたらいいのかというのが文化として根付いていて、距離感とかスピード感とかに関してボトルネック的なことを全然感じないのは、けっこうすごいなと思います」。リモート、テキストが基本になっていたため、コロナ禍でもほとんど開発チームは影響を受けることがなかったという。

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2020年末にカクテルメイクは社名をサービス名と同様の「リチカ」に変更し、「リッチコミュニケーションカンパニー」として2021年はさらに加速していく年になる。開発としては、どういう1年にしていきたいだろうか? 「リチカ クラウドスタジオのサービス改善をしていくことは前提なんですが、実は他にも裏側で『こういうプロダクトできたらいいよね』っていう構想はいくつかあるんです。その構想に着手し始めるタイミングなのかなと思ってます。それでうちの会社が提供するサービスのラインナップがずらっと揃う未来が来たらいいなと思いますね。それを考えると、PMももう少し必要になってくるかもしれません」

では、改めてどんな人に来てほしいと思いますか。そうたずねると「実はうちって、サービスをちゃんと育てていくのが好きなエンジニア・PMと、0→1をずっとやり続けたい人、両方が輝ける珍しい会社だと思うんですよ」という。「スモールスタートでスピード重視で開発するのが基本方針なんですが、『迷ったらやる』ことを選ぶっていうか。守るところは守るけど、その前提を持った上で突破力とか推進力がある人がうちの組織に向いてるんじゃないかと思いますね」

リッチコミュニケーションカンパニーとして、松尾さんと音楽でなにかやっていきたいですね、とも笑って話す上野さん。なんでもありだからこそ、忙しくて楽しい、その充実感が伝わってきた。

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(編集協力/株式会社WORDS

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