詩の魅力
教員をしていたとき、生徒達が休み時間に廊下を歩きながら大きな声で詩を暗唱していました。みんなで声を揃えて歌うように諳んじています。とても楽しそうです。
カムチャツカの若者が~ きりんの夢を見ているとき🎶
メキシコの娘は~ 朝もやの中で~ バスを待っている🎶
谷川俊太郎さん「朝のリレー」という詩でした。教科書に出てくるこの詩を生徒達は国語の授業で学習して好きになったようです。そして掃除の時間も、放課後も、暇さえあればみんなで声で揃えて暗唱していました。テストがあるからではありません。先生から覚えなさいと言われたのでもありません。素敵な詩だから覚えたいんだと言います。リズムがあるから自然に口から出てくるんだそうです。
子どもたちをここまで惹きつける詩とはすごいなあと私は思いました。私が子どもの時の教科書には載っていませんでした。だから私はこの詩を知らなかったのですが、生徒たちが暗唱しているのを聞いて以来私も大好きになりました。
素敵な詩をたくさん残してくださった谷川さんのご冥福を心からお祈りいたします。