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45 わかってほしいことがあります:受験生のみんなへ

現在の入試制度がどのようになっているか、現役を退いた今の私には詳しいことはわかりませんが、私が教員だった頃は高校(専門学校を含む)と中学校の間で個別の相談が行われていました。特に私立の学校については個々の生徒について成績などの情報を元に合否の可能性が検討されました。一般に「打診」と呼ばれるこの動きは2学期の成績が出た12月が最も活発で、中学校の教師は分担して各学校に出かけていました。生徒たちは自習が多くなります。以下はそんな時期に学級通信に書いたことです。

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紙面にぎっしりと並んだ数字はみんなの「成績」です。この数字を朝から晩まで見つめる生活がここしばらくの私には続いています。家に帰って家事をしていても数字が浮かんできます。そして数字の向こうにみんなの顔が見えます。不安そうな顔が。どの生徒も希望する学校に行かせてあげたい。先生だったら誰もが思うことです。でも現実はそうはいきません。それならば少しでも希望に近いところをと考えて資料とにらめっこします。こうして私の毎日は過ぎていきます。

1日が30時間くらいあるといいなと思います。数字ばかり眺めているので目がチカチカしてきます。休み時間のわずかな時間もみんなと面談し、書類を書いたりしているとトイレに行くのも忘れてしまいます。気がつくと廊下を走っている自分に気がつき「師走だなあ」と思ったりします。忙しいのは私だけではありません。先生たちはみんなパニック状態です。みんなの進路のことで頭がいっぱいだからです。こんな状況だからみんなにぜひお願いしたいことがあります。先生たちをがっかりさせるようなことはしないでほしいということです。

2学期の成績が出たとたんに態度が変わった人がいるという声を耳にします。先生たちだけでなく生徒の中からも聞こえてきます。「〇〇くんはもう受かったような気分だよ」というような声が。成績が出るまでは一生懸命で、あとはいい加減というのではあまりにも残念です。授業に身が入らず、朝自習やそうじもいい加減な人がいます。みんなの進路に頭を悩ませながら教室に行くと、自習や掃除どころか遊び回っていたり、ゴミが散らばっているのに平気でいる人たちを見ると私はがっかりします。私はいったい誰のために悩んでいるのだろうとむなしい気持ちになります。

高校や専門学校の進路相談が始まりました。先生たちは授業の合間や放課後に分担して各学校に行き一人一人の進路について相談します。だから自習時間が増えます。掃除の時間も一緒にいることはできません。でも先生たちがいなくてもしっかり生活してほしいのです。先生たちはみんなが希望する学校を受験できるように一生懸命話をします。受験資格が得られるようよい点をたくさんアピールします。そんな先生たちをがっかりさせないでください。むなしさを味合わせるようなことはしないでください。みんなを見て先生たちも「がんばるぞ」と思えるような姿を見せてほしいです。

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