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takitsune
無意識に隠した親指
葬儀のしかたが多様化する中で故人の亡骸を運ぶ車(いわゆる霊柩車)にも変化が見られます。私が子どもの頃は立派な乗用車に豪華な装飾を施した「宮型霊柩車」(この名称を最近知りました)が一般的でしたが、現在は外見ではそれとわからないものが増えてきました。
子どもの頃、友達の間で「霊柩車を見たら親指を隠す」と言い合っていました。そうしないと「親が死ぬ」とか「親の死に目に会えない」と言う理由からです。私自身は根拠のない迷信と思いながらいつしか親指を隠すのが習慣になっていました。
最近は霊柩車をめったに見なくなり、そんな習慣も忘れていた私でしたが、少し前に地方を旅行したとき昔ながらの豪華な宮型霊柩車を見て思わず親指を隠している自分に気がつきました。両親はすでに他界しており、隠す必要などないのですが・・・
身についた習慣はそう簡単にはなくならないようです。