見出し画像

わが家にホームステイした外国人4(カンガルーの国から来た大学生たち)

日本の某大手企業が社会貢献の一環として1972年からオーストラリアの大学生を日本に招聘するプログラムを実施しています。州ごとに一人選考された大学生に3週間の研修旅行を提供するもので、日本の文化や社会、ビジネスなどを学ぶ機会が提供されています。そのうちの3泊4日を私の住む市の国際交流協会が受け入れ、大学生は市民の家庭にホームステイしています。

プログラムは50年以上続いていますが、私の家では1996年から2014年まで12人の大学生を受け入れました。家族みんなで交流し、現在も交流が続いている人もいます。

大学生の名前(仮名)と在籍していた大学 
ビニー (1996) La Trobe University
アン (1997) University of Newcastle
ゴディ (1999) University of Canberra
ティム (2000) University of Tasmania
アンドルー (2001) University of Sydney
ギャビー (2002) University of Western Australia
ピート (2005) Edith Cowan University
ダレン (2006) University of South Australia
アッシュ(2007) University of Melbourne
ハリー(2010) University of New South Wales
エディ(2012) Macquarie University
エルザ(2014) University of New Castle 

🦘多様な文化的背景の学生たち

オーストラリアは移民国家です。国民の25パーセントが海外生まれと言われ、家庭でも様々な言語が話されています。学生たちの文化的背景も多様でした。英国系が多かったですが他の国にルーツを持つ学生も多く、アジア系も何人かいました。両親がそれぞれ別の国にルーツを持つ人も少なくありません。という人もいました。

最初に受け入れた女子学生のビニーの両親はインドからの移民で、ヒンズー教徒でした。私はヒンズー教のことをよく知らなかったので彼女の話はとても興味深かったです。敬虔なヒンズー教徒である両親は彼女にとっては絶対的な存在だったらしく、両親に厳しく育てられたと言います。彼女の中には少なからぬ葛藤もあったようで、話の端々にそれが感じられました。ヒンズー教徒なので食べ物の制限は多かったですが、特別なものを作るのは大変なので私が作る料理の中で食べられるものを選んで食べてもらいました。

他にも、アンドルーの両親はインドネシア移民、ギャビーはマレーシア移民、ハリーは内モンゴル移民でした。こうした学生の文化的背景を通してオーストラリアが移民の国であることを改めて感じました。


🦘スーツケースから次々に出てきたワイン

メルボルン大学の看護学部で学ぶアッシュはお酒が大好きです。我が家に来た最初の日、お土産に持ってきてくれたオーストラリアワインをスーツケースから取り出し一緒に飲もうと言います。夫も私もワインは大好きです。食事前に3人で飲み始めました。ヤラバレーのピノ・ノワールでした。3人であっと言う間に1本空けてしまいました。

さあ食事にしようと思ったら、アッシュはスーツケースからまたワインを取り出して持って来ました。今度はカベルネです。アッシュの飲む量は私達とは比較になりません。食事をしながらそれもすぐに空になりました。

するとアッシュはまたまたスーツケースからワインを取り出してくるではありませんか。結局その日は一晩でワインを3本空にしました。スーツケースにはいったいワインが何本入っていたのでしょう。


🦘国土の広さはこんなところにも表れる

国土の面積が日本の20倍もあるオーストラリア。会話の中にもその違いを感じることがありました。

シドニーから来たハリーはわが家のキッチンを見て「僕の家のクローゼットくらいの広さだ」と言います。わが家は決して大きな家ではありません。でも私は狭いと思ったことはありません。私にとっては十分ですし、不満もありません。ハリーの家を見てみたくなりました。たしかにオーストラリアでホームステイすると敷地も広く、大きな家が多いです。特に田舎に行くと広大な敷地に平屋の大きな家がゆったりと建てられていることが多いです。

私がホームステイしたファミリーの家

広さの違いはこんなところにも表れると思ったのが、ピートを連れてお墓参りに行った時です。道中のおしゃべりで「日本では亡くなった人を縦に(vertical)に埋めるの?」と聞かれました。最初は意味がわかりませんでしたが、話しているうちに彼女の疑問が理解できました。日本は国土が狭いので亡くなった人を横たえて埋葬するには狭すぎるのではないかと思ったらしいです。だから地中深く穴を掘って縦に埋葬すると思ったようです。火葬ということも知らなかったらしく、説明したら納得していました。

🦘食器洗いは任せたよ!

学生たちには家のこともやってもらいました。お客様扱いするのではなく、ゴミ出しや食事の後かたずけなど負担にならない程度のことをやってもらう方が彼らにとっても気が楽だと思ったからです。私も楽ですし。

食器洗いは多くの学生にやってもらいました。自宅では食洗器を使っている人も多く、また、オーストラリアでは洗剤を洗い流さないことが多いので、その違いに驚いている人もいました。中でもゴディは食器洗いが大好きになったようで毎食後楽しそうに流しに向かっていました。

食器を洗うゴディ


剣術姿がクール!

ウエルカムパーティーで日本の剣術を体験した学生たち。みんな真剣そのもの。エディはとても様になっていました。


🦘再来日する学生も

2000年にタスマニアから来たティムは学生結婚をしていましたが、翌年はパートナーのエマとを連れて再来日しました。その時もわが家に泊まりましが、前年より長い滞在だったので日本をたっぷり楽しめたようです。

シドニーのハリーも数年後に友達を連れて再来日しました。我が家にも遊びに来ていっしょに出かけました。

再来日したハリー(右側)と友人


🦘ゲストを訪ねて行く

ホームステイした学生を訪ねて行ったこともあります。タスマニアのティムとエマを訪ねて行った時は1週間彼らのアパートに滞在させてもらいました。二人の両親の家にも行き、それぞれの家族とも交流させてもらいました。

ティムの家族とクリスマスパーティー

2017年にはパースのギャビーを訪ねました。ギャビーは数年前に結婚し、その年赤ちゃんが生まれていました。アパートを訪ねると妻と赤ちゃんと三人で温かく迎えてくれました。15年ぶりの再会でした。

ギャビー一家

🦘「日本文化」を楽しむ

学生たちは国際交流協会が企画する「日本文化」の体験をします。茶道や華道、和服の着付けなどちょっとステレオタイプかなと思いますが、彼らは結構楽しんでいます。特に和服姿は好評です。地元の祭りに参加することもありました。
(写真は国際交流協会のニュースレターより)

和服は大人気
茶道に挑戦
地元の祭りで仮装行列に参加

           





いいなと思ったら応援しよう!