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「勉強と部活の両立」はどうして難しい? (中学生の声)
*この記事は事実に基づくフィクションで、中学生のボクは架空の少年です。
学校の書初めで「今年の抱負」を書いたときに「勉強と部活の両立」って書いた友だちが何人かいた。友だちの中には「勉強と部活の両立」で悩む人がいるのは確かだけど、これについてボクはちょっと疑問に思うことがある。なんで勉強と部活は両立が難しいのかっていうことだ。両立できるようにやればいいだけじゃないか。
両立に悩む人はたいてい運動部に入っている。放課後は毎日練習があるし、朝練も毎日やってる。土日や長期休みもほとんど練習で埋まっている。よくやるなってボクは思う。スポーツが好きで部活に熱中するっていうのはわかるけど、部活だけっていうのもどうかなって思う。勉強に影響するようじゃ本末転倒だよ
そんな人たちは明けても暮れても部活のことを考えているようにボクには見える。休み時間も部活の話ばっかしてるし、何をやるにも部活第一(今風に言うと「部活ファースト」?)だ。顧問の先生の言うことは絶対だし。それだけ部活が好きならいいけど、中には無理している人もいる。「辞めたら内申に影響する」とか言ってね。もっと楽しくやればいいのにってボクは思う。
ボクは去年の夏に短期留学でオーストラリアの学校に行ったんだけど、そのとき「部活と勉強の両立」なんて言葉は一度も聞かなかった、そもそも日本の学校のような「部活動」ってものがなかった。課外活動はあるけど、やりたい人が集まって楽しんで活動している。コーチも先生じゃなくて、外部の専門家だ。活動は週に1,2回で、活動時間だってそんなに長くない。土日はもちろんやらないよ。ずっと同じスポーツをやる人もいるけど、学期ごとに違うスポーツをやってもいいんだ。要するにスポーツを楽しむのが目的だ。
ちなみに、ボクは体操が好きだけど、学校の体操部には入らずに民間の体操クラブに行っている。部活動は毎日練習があって他のことができなくなるのが嫌なんだ。だから部活は活動日が少ない将棋部に入った。部活は入らなくてもいいんだけど(いわゆる「帰宅部」だ。奇妙なことばだけど)、ボクは将棋が好きだし、活動がユニークだから入ってみた。将棋部の活動は週に2日で、将棋の好きな地域の人も集まっていっしょにやるんだ。お年寄りが多いけど、中学生のボクたちといっしょにみんな将棋を楽しんでいる。対局するといろいろ教えてくれる。おかげでボクも将棋が結構強くなってきた。お年寄りはほかのこともいろいろ教えてくれるよ。部活動についてはいろいろ議論されているけど、こんな部活動があってもいいとボクは思うな。