人間は山である
人生を山に例えることはよくあるが、人間そのものを山に例える話はあまり聞いたことがない。けれどもよくよく観察してみると じつに人間は山によく似ている。
山は海とはちがい、一個体ではない。一つ一つが山であり、その集積を山とも呼ぶ。そして山には小さいものもあれば大きいものもある。大きさに分け隔てなくすべてが山だ。さらに山々は連なりにより山脈のような群を形成する。どれもが人間らしく、どれもが人間の特徴によく似ている。
そしてそんな山に、人間として見習いたい一面がある。
動かざること山のごとし
という武田信玄の【風林火山】で有名な言葉がある。
山は不動である。いかなる天災を被っても自然のまま崩れ落ちる。生き物ではないのだから当然といえば当然なのだが、そこに思いを馳せればじつに見事な滅びかただ。
人間は生き物なので どうしても無駄な抵抗をしてしまう。覚悟できない。滅びかた以外にしてもそうだ。山々はあんなに大きさに差があるのにそれもまったく動じる様子がない。ありのままを受け入れてる。そうありたいと願うのだが、人はそうもいかない。なにかと有動だ。見た目で意地を張れても中身まではどうしても変えれない。
他の山とくらべることなく、一心に我が道を邁進したい。命運を天にまかせ、ただただ泰然自若に生きられたなら と思う。