詩 【 Go home 】
紙一重の差だった
やらなきゃやられていた
はたしてこれで わたしは勝ったといえるのだろうか
まるで勝った気はしなかったし
むしろ負けて当然の結果と思っていた
完全に戦意喪失していたからだ
ただ敵と遭遇し 反射的に身体が動いてしまった
敵は若く愚鈍であった
隊のなかで愚鈍扱いされてるわたし以上 愚鈍であったにすぎない
とてもいいヤツそうであった
思えばこの戦争というヤツは
いいヤツから順に死んでゆく
いいヤツには愚鈍で気の優しいヤツが多いからだ
わたしは彼より少しわるいヤツだったにすぎない
わるいヤツが蔓延り
わるいヤツばかりに操られるのが戦争
こんなはずじゃなかった
わたしは はやく帰りたい
ただ
それだけだ
20231030