高速戦隊ターボレンジャー、第32話「悪魔の大怪鳥!🦇」
「見事、暴魔蝙蝠ドラグラスを甦らせてみよ。その時こそ、暴魔百族の戦列に加えてやるわ。」
流れ暴魔となったキリカを連れ、ヤミマルは暴魔大帝ラゴーンの元へ訪れる。
純潔な暴魔百族でない彼ら。
「お前たちは純粋な暴魔ではない!人間と暴魔との間に生まれた子だ。そんな半端者に何ができる!?」とラゴーンは彼らを突き放す。
しかしヤミマルは、暴魔百族の誰一人として甦らせる事のできなかった伝説の大怪鳥、暴魔蝙蝠ドラグラスを蘇らせる事を条件に暴魔百族へ加わる条件を締結させる。
テーマは
青春のUターン路
暴魔蝙蝠ドラグラスを甦らせる為、彼らはカガミボーマを使い、武蔵野学園高校の生徒を次々に生け贄としと捕える。
若者がカガミボーマの中の異空間の中で踊り狂うエネルギーがドラグラスへの生け贄という点には、少し″?″が浮かんだが、ヤミマルやキリカを含め学園の生徒がクラブで踊っている様相は異様な雰囲気を漂わせていた。
キリカ(小夜子)は力に恋をしていた。
高校野球の試合でホームランを打った力にサインを求め、そのサインボールを大事に保管していた。
「月影小夜子!思い出してくれ!あの日の事を!」と力は彼女にサインボールを見せ、人の心を取り戻そうとした。
「汚らわしい!そんな人間の名で呼ぶな!私は流れ暴魔キリカ!」
と一度はぐらつく様子をキリカは見せたが、悪に全振りをしてしまったキリカには元の世界に戻る居場所はなかった。
振り切る様に放たれた月光剣からの光線は、力の足元に当たり乱れていた。
素直になれる環境がキリカに残されていたら…。
彼女は力の言葉に甘える事ができた。
そう…ホームランボールを掴み、素直に喜んでいた時の自分に。
人は素直では無い。
そういう表現をされる場面も多いが、私は環境次第だと思っている。
キリカが小夜子として、しっかり甘えられる環境があったのなら、悪への一方通行は無かった。
なんなら、いつでも戻れるUターン路は用意できた筈だった。
だからこそ、力達はもう少し早く彼女に寄り添うべきだった。
、、、彼女が強力な力を得る前に。
今話の神セリフは、本来なら神セリフとして選ぶべきではないセリフであった。
ただ、素直になれない人にUターン路を用意しないとどうなるのかが分かりやすく描写されていたので選択させて頂いた。
神セリフ
「終わりだな…。月影小夜子!俺たちの青春は終わった!これは…、これはお前への決別のボールだ!」by.炎 力(レッドターボ)
精神との…いや、唯一の居場所との決別。
小夜子のUターン路は力だった。
力は自分に全く当てられない月光剣の光線に気付けなかった。
、、、彼女の気持ちのグラつきにも。
何故、ヤミマルもキリカも力達と闘わなければいけないのだろう?
力は真っ直ぐだが不器用で直ぐに突っ走る。
こんなリーダー、世間にはゴロゴロ居る。
だからこそ、力にもキリカにも何事にも一時的にストップをかける人が傍に必要だった。
そして、我々にも。
人は客観視が苦手だ。落ち着いていない時には尚更。
だから、一度落ち着かせてくれる人が近くに必要なのである。
1人で苦しい時、1人でもがかなければいけない時、貴方は誰に相談をしますか?
人は誰しも1人では生きていけない。
だから寄り添いを求める。
悩む時は、
常に止まれる信号機を、そしていつでも引き返せるUターン路を与えてくれる人の傍で。
きっと、貴方の肩に乗る錘も軽くなると思う。