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仰山、ぎょうさん、ぎょーさん
認知症の方の会話は時にボタンを3つ位掛け違えてる。
…そして、あの会話のままM-1グランプリに出たらワンチャン1回戦位は突破できるのかな?とも思う事も多々ある。
彼女は大阪出身の認知症利用者様。
名前はT子さんとしておきます。
「私は明日、大阪の豆が原に引っ越さなあかんのよ。先生に払うお金、いくらやった?」
T子は関西弁を巧みに使い話をしてくる。
……ちなみに、ここは東京都の八王子市である。
″豆が原″って何処?
検索しても全く出てこないこの地名。
……もしかしてパラレルワールドなのか?
「先生のお家は梅ケ原やっけ?」
「相模原です。」
「ん?腕ケ原?」
「相模原です。」
「下がり原?」
「…相模原です。」
ボケとツッコミのエッジが実に古風…。
でも、T子的には楽しい様で、その一連をニコニコしながら行なっている。
私は半年前まで埼玉県民だった。
そして、彼女とは何故か秩父の話に良く花が咲く。
「三峰神社やろ?なんや先生行った事があるんか?あそこは綺麗やったろう。」
「いえ、まだ行った事ないんですよ。父と母は良く行くのですが…。」
「せやったら、絶対行った方がええわ。先生の家、足ケ原やろ?秩父までそんな遠くないやろし。」
…足ケ原って……
私のツッコミ魂をくすぐりやがるワードセンス…。
「いや、足から乳父(秩父)までは遠いやろ!まだ腕ケ原の方が近いわ!」
…って、腕ケ原って何処!!
ワンフレーズできてしまった…。
今日の出来事だ。
彼女は花柄のハンドバックをいつも大事に抱えながら車椅子で生活している。
「おっ!T子さん、おはようございます。」
「あっ!先生、今日はマッサージしてくれはるの?足が痛くてたまらん。」
「良いですよ。お金ぎょうさん包んでくれるんですよね?(笑)」
「……?」
「いや、ぎょーさん、ぎょうさんお金もってはりましまよね?」
「……?」
「いや、T子さんお金いっぱい持ってますよね?」
「あっ、いっぱいね!包んだる包んだる(笑)」
……笑いに流されてはいけない。
ちなみに、彼女は大阪で生まれたが、すぐに埼玉の秩父へ引っ越し、そこで旦那さんと出会い3年前まで息子さん、娘さんのお手伝いを受けながら生活してきたんだと。
、、、、、いやエセやん!笑
関西弁を話す女性は関東圏内の男性からは正直可愛いポイントが高いです(笑)
ビジネス関西弁には″気をつけなはれや!″