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生成AIを使ってESを書いてみた
今回は最近流行りの生成AIを使って実際にエントリーシートを書いてみました。果たしてどれくらい有効に活用することができるのか、見ていきましょう。
①「生成AI」とは
まず、そもそも「生成AI」って何ぞや、というところからお伝えしましょう。といってもだいたいの人は既に知っているかと思いますが、Wikipediaには
「文字などの入力(プロンプト)に対してテキスト、画像、または他のメディアを応答として生成する人工知能システムの一種である」
と書いていました。つまり、指示したらそれに沿ってテキストや画像などを生成してくれる、という優れものですね。
生成AIにもいくつか種類がありますが、今回はテキスト生成AIのCaht GPTを使用していきます。
②エントリーシートを書いてみた
さて、実際のエントリーシートではどのような感じで使えるのでしょうか。
まずは、志望理由。もうこれ生成AI使って書けちゃえば、こんな楽ちんなことはこの上ない。
ということで、Chat GPTに「○○大学の職員の志望理由を400字程度で書いてください」という指示を与えてみましょう(○○には実際の大学名を入れて指示しています)。
「私は○○大学の職員として働くことに強い魅力を感じています。まず、○○大学が掲げる「自分らしく、世界を拓く」という教育理念に共感しており、その一員として学生の成長を支援したいと考えています。特に、○○大学は多様なバックグラウンドを持つ学生を受け入れ、グローバルな視野を持った人材を育成している点に感銘を受けています。私自身、国際的な経験を通じて、異文化理解や柔軟な思考の重要性を実感しており、その経験を活かして学生や職員がより豊かな学びの場を作るお手伝いができると信じています。
また、○○大学の「人間性の尊重」といった理念は、私が仕事において大切にしている価値観と一致します。大学という教育機関において、個々の尊厳を大切にし、共に成長できる環境を作り上げることに貢献したいと考えています。加えて、学内外のコミュニケーションを円滑にし、組織全体の発展を支える業務に携わることで、社会に貢献することができると感じています。
以上の理由から、私は○○大学で職員として働くことに強い意欲を持っており、その一員として大学の発展に貢献したいと考えています。」
これで470字です。っておい、かなりオーバーしているじゃないか(笑)
とまあこんな感じで完ぺきではありません。しかし、内容はそれなりに形になっているので、正直ゼロベースから書くよりもかなり効率は良さそうです。これをベースにあとは細かいところを修正していけば、かなり効率よくエントリーシートを作成することができそうです。
他にも、エントリーシートにはA4一枚で「大学の役割と、それに対してあなたはどのような貢献ができるのか自由に表現してください」のような長く、Wordだとしても書くのを挫折しそうなお題もあります。
そんなお題でも、「大学の役割とそれに対してどのような貢献ができるか1600字程度で書いてください」という指示を与えて書いてみましょう。
大学は、社会における重要な役割を担っています。その最も基本的な役割は、教育を通じて学生に知識や技能を授け、社会に貢献できる人材を育成することです。さらに、大学は研究機関として新たな知見や技術を生み出し、社会の発展を促進する役割も担っています。これらの役割は、単に学問の枠を超えて、社会全体に影響を及ぼし、広い意味での社会的責任を果たしているといえます。本稿では、大学の役割と、それに対してどのように貢献できるかを考察します。
1. 大学の役割
1.1 教育の場としての役割
大学の最も基本的な役割は教育です。大学は、専門的な知識や技能を学生に提供することで、社会で活躍できる人材を育てます。現代の社会では、複雑化・多様化が進んでおり、特定の分野における深い知識を有する専門家が求められています。大学では、基礎的な学問を学ぶと同時に、専門的な知識を深め、実践的な能力を身につけることができます。また、大学教育は単に知識を伝えるだけでなく、学生に自ら考え、問題解決を行う力を養うことを目的としています。批判的思考や創造的なアイデアを生み出す能力、チームでの協力力など、社会で必要とされるさまざまなスキルを学生に伝えることが求められています。
1.2 研究の場としての役割
大学は、学問的な研究の拠点でもあります。研究活動は、新しい知見や技術を生み出すだけでなく、社会の課題に対する解決策を提供することにも繋がります。例えば、医療分野では新薬の開発や治療法の発見が、工学分野では新しい技術の創出が、環境問題に関しては持続可能な社会の構築に向けた取り組みが大学で行われています。大学の研究者たちは、学問の枠組みを超えて、産業界や行政機関、他の研究機関と連携し、社会的課題に対して積極的に貢献しています。こうした研究活動が新しい知識や技術を生み出すとともに、学生に対しても最前線の研究に触れる機会を提供し、学びの深化に寄与しています。
1.3 社会貢献の場としての役割
大学はその教育と研究の成果を社会に還元することが求められています。これには、大学が持つ知識や技術を地域社会や企業、行政と共有し、問題解決に役立てることが含まれます。また、大学は人材を輩出するだけでなく、卒業生が社会に出て活躍できるように、ネットワークや支援を提供する役割も果たしています。さらに、大学は学問の普及活動を通じて、一般市民にも学びの機会を提供し、知識社会を形成する役割を果たしています。近年では、企業や地域との連携が強化され、大学の持つ社会的資源を活かした地域活性化や産業支援など、多岐にわたる社会貢献活動が行われています。
2. 大学に対する貢献の方法
私が大学に貢献できる方法は、主に教育と社会貢献の面であります。
2.1 教育面での貢献
まず、私は大学の教育面で学生の成長をサポートすることができると考えています。具体的には、学生に対して知識を伝えるだけでなく、彼らが持つ個々の能力を引き出すような支援を行いたいと思います。大学教育において重要なのは、学生に専門知識を提供することはもちろんですが、それ以上に、学生が自分の強みを見つけ、発展させることを助けることです。私は、学生との対話を大切にし、彼らの学びのモチベーションを高める環境を作りたいと考えています。また、大学教育が学問の枠にとどまらず、社会に出て役立つスキルを提供することに貢献できると信じています。そのために、実践的な課題解決能力や、社会で活躍するための人間力を養う教育を推進したいと思います。
2.2 研究面での貢献
次に、大学の研究活動に対しても貢献できる部分があると考えています。私は学問の研究活動において、新しい視点を提供することや、既存の研究結果を発展させることができると感じています。具体的には、専門的な知識を基に、現実の社会問題に対応した研究テーマを提案したり、他の研究者と連携して社会的課題に取り組んだりすることができます。また、研究成果を学生に還元し、最前線の知識を教育に取り入れることで、学生の学びを一層深めることができると考えています。
2.3 社会貢献面での貢献
社会貢献の面では、大学の持つ資源や知識を地域社会や産業界に還元することに貢献したいと考えています。大学はその立地や研究成果を活かして、地域や企業との連携を深めることが求められています。私は地域活動や産学連携のプロジェクトに積極的に関わり、大学が持つ知識や技術を社会の課題解決に役立てる方法を模索していきたいと思います。さらに、大学が果たすべき社会的責任として、環境問題や社会的な公平性についても意識を高め、持続可能な社会の実現に向けて大学のリソースを活用する方法を提案したいと考えています。
3. 結論
大学は教育、研究、社会貢献の3つの重要な役割を担っており、これらの役割が相互に作用することによって、社会の発展に貢献しています。私自身は、大学において教育面、研究面、社会貢献面でそれぞれ貢献できると考えており、学生の成長をサポートし、最前線の研究に取り組み、地域社会や企業との連携を深めることで、大学の持つポテンシャルを最大限に活かすことができると信じています。大学は単なる学問の場ではなく、社会に対する重要な貢献を果たす場であり、私もその一員として、大学が持つ可能性を広げるために貢献したいと考えています。
これで2181字です。っておい、もっとオーバーしているじゃないか(笑)
このようにやはり文字数に関してはまだまだ甘いところがあるようです。
しかし、内容に関しては約1600字というゼロベースから考えるにはとても時間と労力を要するものでも、一瞬で書き上げてしまいます。
③実際に応募してみた
ということで、実際の大学職員のエントリーシートに対して、生成AIを使って書いて応募したら通過するのかやってみました。
結果から言うと、5校応募して4校通過しました。実に優秀。
もちろんESの内容だけでなく、私のスペックや学歴・職歴も考慮されているとは思いますが、志望理由やA4一枚ほどの長い課題に対して生成AIを使ったことにより、文章の質が悪くて落ちた、ということはあまり無さそうでした。
ちなみに通過した大学はその後全て辞退しました。さすがにそのまま進んでしまったら、一つ枠を奪ってしまうわけですから他の応募者に申し訳ないですからね。
④生成AIの良し悪し
ということでここまで生成AIについてみてきましたが、良し悪しそれぞれをまとめてみたいと思います。
まずは良い部分。これは圧倒的に作業効率が上がることです。志望理由も長いお題もゼロベースから考えるのはかなり骨の折れる作業です。ましてや働きながらプライベートの時間でこの作業を行うわけですから、そりゃ誰しも効率的にやりたいですよね。
また、文章のクオリティも一定レベルは保てていると思います。人によっては生成AIの書く文章の方が自分で書くよりクオリティが高くなっている人もいるかもしれません。そういう部分でもありがたい話ですよね。
次に悪い部分。悪い、というよりも以下の点を考慮しながら使った方が良い、という方が適切かもしれません。
まずは、文字数。上でも記載の通り、うまく文字数に収めてくれません。もしかしたら上手く収まることもあるかもしれませんが、これはしっかり自分で生成AIの書いた文章の文字数をチェックして、多すぎれば自分で要約なりカットして校正してください。
次にファクトチェック。これは事実に間違いないのか、大学の理念や実際の支援や方針などは、改めて自分でも確認した方が良さそうです。
最後に経験ベースの具体性。当たり前なのですが、生成AIはネット情報をベースに文章を作成しています。なので、自分自身の経験が入ることがありません。具体性を持った文章を作成するには、生成AIの作った文章に自分の経験を入れて書くのがベターではないでしょうか。
もちろん書類選考を突破したら面接があります。面接ではエントリーシートをベースに質問されますので、いくら生成AIに書いてもらったからって内容は自分でしっかり認識しておかなくてはいけません。それをベースに質問を受けることを前提に面接対策を行ってくださいね。
まとめ・おわりに
いかがでしたしょうか?
今回は生成AIを使って実際にエントリーシートを書いてみました。
自分もそんなに詳しくは知りませんでしたが、実際に使用してみると生成AIの便利さを実感することができました。実際に自分で書くことに時間も労力も掛けれる人は不要かもしれませんが、なかなか時間も労力も掛けれない人は、禁止されるまでは使用するのが良いかもしれませんね。
こういった最新技術はどんどん使っていきましょう。そして選考のみならず自身の様々な場面での効率化に充てていきましょう。
今回の記事が大学職員を目指している人に少しでも貢献できれば幸いです。