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【詩】思い出

みんな泣きながら生まれたなら
笑うってなに
泣くことが始まりだというのに
笑って逝きたいってなに

泣くことが本来の道なら
泣いてもいいんだ
ムリに笑うってなに
ムリなことはやめたらいいや

一人で泣いてきた
世界中が冷たい雨のようだって
ガキの頃から思っていた

うつむいて泣いてたら
近所のおばあちゃんが
あんパンをくれた

もっと泣いた。

みんな泣きながら生まれたんだ
そのことを思い出した
生まれたてのような
こそばい気持ちになって
ありがとうと言えた
恥ずかしいってこれか

恥ずかしいのにあたたかい気持ちになった
笑うことが何なのか少しわかった
泣きやんだ

頭をなでてくれた

どんなに時が過ぎても
なんてやさしいんだって叫ぶだろ
そんなん

わるぶった日には
おばあちゃんのあんパンを思い出して
思いとどまってきた

ぽんこつでもいい
強い奴になれるといいなと思う
やさしい強い奴になるといいな

本当はふられてもいいし
捨てられても仕方ない
みんなわかってるだろ
じつはふるほうもつらいって

君が大好きより大事にしてること

あのおばあちゃんのくれた
あんパンの味

優しいを思い出したなら
仮眠して、さぁ行こう!


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こうき
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