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【要約】二宮尊徳の遺訓 読書記録47
二宮尊徳の遺訓
松沢成文
学問を心がけなければ身を立てることができず、生家の再興もできない。
自力で勉強すれば伯父の怒りにも触れないはずだ。
当時百姓の身分であったが、学問の大切さを痛感し、学問に励んでいた。
当時は暗くなると灯油を使って電気を作り、尊徳はその明るさをもとに読書に励んでいたそう。
しかし伯父からは、百姓の身分で学問に励んだところでなんの役にも立たない。灯油の無駄だ。早くやめろ。
そう叱られていた。
そこで尊徳は他人からもらった油菜の種を植え、育て、収穫し、売ることに成功する。
このお金で灯油を買い、ひたすら学問に励んだ。
小を積んで大とするのは自然の道なのだ。
この道によってやればきっと親祖先の家を家を再興することができる。
尊徳の言葉に「積小為大」がある。
小さなことを積み重ねることでやがて大きなことをなることができる、という教えである。
これは尊徳自身が、17歳の時に不要になっている土地を開墾し、村民の捨てた苗を拾い集め、これらを植え付けて育てたところ、多くの収穫を得流ことができた。
そして収穫したものからさらに種を取り除き、栽培し、倍増させていくことに成功した。
そして自身は多くの富と土地を所有していき、31歳の時に村で指折りの大地主にまで上り詰めた。
これらの体験から尊徳は、勤勉が知恵を生み、価値を生むということを学び体得した。
論語読みの論語知らず。
尊徳は読書家であったものの、知識を学ぶ自分にインストールすることは無意味であり、これらを活用することではじめて価値になる、そう強く信じていた。
実学重視。
これを重んじていた人の一人に福沢諭吉がいる。
尊徳と福沢諭吉は人生の中で交わってはいないのもも、共通する部分が大いにあり、実学重視の考えをひしひしと感じる。
○読書記録