GPSアプリ【超ショートショート】

女友達とランチで内緒話。

「彼氏は常に３人以上キープしてる。
浮気？　ううん、みんな大好きだよ！

だって、わたし専用のATMだもん。

レストランはミシュランの星つき、
プレゼントはブランド（翌日、内緒で売却）
電車は疲れるから車で送迎ね。

鉢合わせ？　だいじょうぶ！

男の子達・のスマホにGPSアプリを仕込んであるの。
二人以上がわたしに接近すると警報音が鳴るんだよ。

これで男の子たちがバッティングするのを完璧にブロック！
用意周到？　ううん、マナーだよ。男の子って繊細なんだから。

お金の切れ目が縁の切れ目、さよならした男の子は数知れず。
時々入ってくる元カレの葬儀の情報は、完全スルー。仕方ないよね」

ピピピピピピ……

アプリの通知音だ。
GPSアプリを見ると、赤い点が近づいてきて、あっという間に元カレ達に取り囲まれた。

「誰もいないのにねえ？」と女友達が首を傾げる。
「えっ……？　見えない……の？」

おもわず聞き返すと、元カレ達がわたしの耳元でゲラゲラ笑いだした。

#超短編小説 #ホラー小説