チョロすぎる【超ショートショート】
「もしもし、オレ!」
「どちらさま……?」
「オレだよ、オレ! 息子の声を忘れたのかよっ?!」
「あっ、た、たかしっ! お前、どうしてるの?」
「実は仕事で失敗しちゃって……」
「お金ならいくらでも用立ててあげるから、今すぐ帰っておいで!」
――ちょろい。チョロすぎるぜ!
ピンポーン。
さっそく家を訪ねると、
「お前がタカシか!」と、男に家の中に引っ張り込まれると、あっという間にグルグル巻きに縛られ、猿ぐつわを嚙まされた。
「オラ婆さん、金庫の暗証番号言わねぇと、かわいい息子がどうなってもいいのかよ! ドケチの死んだ爺さんがたんまりため込んでいることはリサーチ済みなんだよぉ!」
冷たいナイフが俺の首にピッタリ当てられる。
「ひっ……」
頼む、言ってくれ! と念じつつ婆さんを見ると、背後霊の爺さんが、ばあさんの口をふさいでいた……。
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