わたしは初心者山ガール。
単独登山に初挑戦した。
足場が悪い登山道で悪戦苦闘。
「はい、これ使って」とベテラン登山者がストックを片方貸してくれた。
無心で登っていると、借りたストックの片方が落ちていた。
「あれ、ベテランさん……?」
あたりを見回すと、いつの間にか登山道を外れていて…………
足元に白骨死体が!
遺族に感謝され、形見分けにストックをいただいた。
それ以来、どんな山もひとりでへっちゃら。
「そこ、地盤緩んでるよ」
「分岐は右だよー」
「頂上でのごはんはかくべつだよねっ!」
ひとりランチもさみしさゼロ。
ベテランさんがいつも一緒だ。
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