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【映画レビュー】ユージュアル・サスペクツ
みなさん、こんにちは。映画大好きマヒロです。
素敵なゴールデンウィークをお過ごしでしょうか?
今回は「ユージュアル・サスペクツ」を見ました。
ユージュアル・サスペクツは「容疑者としていつも名前が上がる者」という意味なんですって!
ワルの集まりってことですね。
この映画は何度見ても新たな発見があって楽しめる作品です。
いつも映画を見ている方も、普段は忙しくて映画をみる時間がない方も、この連休に最高のクライムサスペンスの金字塔を是非楽しんでみませんか?
1995年 アメリカ 106分
監督 ブライアン・シンガー
脚本 クリストファー・マッカリー
出演 ガブリエル・バーン
ケビン・スペイシー
監督と脚本家
監督はブライアン・シンガーです。
「X-MENシリーズ」や「スーパーマンリターンズ」なども監督されています。
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脚本を書いたのはクリストファー・マッカリー。
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今作は68回アカデミー賞脚本賞を受賞しています。
「トップガン・マーヴェリック」や「ミッション・インポッシブルシリーズ」の脚本も書いています。
今作の監督でもあるシンガーが監督をした「X-MEN」の脚本も書いてます。
あらすじ
物語は昨晩のカリフォルニア州サン・ペドロ湾に停泊している船から始まります。
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項垂れるディーン・キートンは煙草に火を付けたマッチを、自分のすぐ近くにある灯油の付いた紐に投げ捨てます。
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紐に着火した炎は、先へ先へと進んでいきますが、途中でカイザーに小便を掛けられ火は消されてしまいます。
カイザーはキートンに歩み寄り「準備は良いか?」と確認します。
キートンが「今何時か」と聞くと、カイザーは「12時30分」と答え、銃でキートンを射殺します。
その後、石油で塗れた一面に自身が吸っていた煙草を投げ、火の気が立ち上がるその場から逃走します。
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事件の起こる6週間前。
関税局の特別捜査官であるデイヴ・クイヤンはニューヨーク警察と共に銃が積まれたトラックが奪われた件について、前科者の男5人の面通しをしていました。
面通しをされる5人の男
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マイケル・マクマナスは忍び込みのプロ。
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スティーヴン・ボールドウィン
マクマナスと手を組んでいるフレッド・フェンスターは腕も良いし頭も切れる。
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ベニチオ・デル・トロ
トッド・ホックニーは爆薬のプロ。開き直りでこの世を生きている。
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ゲヴィン・ポラック
そして、警察が1番目を付けているのはディーン・キートンです。
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キートンは15年前に汚職刑事でした。
刑事職を辞めた後は数々の悪さを行ってきましたが、恋人で腕の良い刑事弁護士であるイーディの力を借りて悪の道からは身を引いて堅気になったと噂が流れていました。
最後はヴァーバル・キント。
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ケビン・スペイシー
左側の手足が不自由な詐欺師です。
5人は面通しが終わった後、ひとつの牢屋に入れられていました。
そんな中でマクナマスがこんなことを言い出します。
「実はちょっとしたヤマがある」
ですが、マクナマスのこの話にキートンだけが乗りません。
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舞台は現在のサン・ペドロ湾に戻ります。
何者かによる船爆破事件により死亡者も多数出る事態となりました。
警察が調べてみるとこの船は9100万ドルの麻薬を密輸している「密輸船」だったのです。
FBIも捜査に乗り出します。
FBIのジャックは密輸船爆破事件で生き残った2人のうちの1人で大火傷を負ってしまい病院にいるアーコシュ・コバックの元へ向かいます。
アーコシュは必死で話してかけてきますが、ハンガリー語の為、ジャックは何を言っているのか分かりません。
そんな中でもアーコシュが「カイザー・ソゼ」と言ったことはジャックにも聞き取れました。
ニューヨークからは関税局の捜査官であるデイヴ・クイヤンがサン・ペドロ警察署へ向かいます。
爆破した船に乗っていたキートンが生きているのか死んでいるのかをどうしても知りたかったのです。
「キートンはそんな簡単に死ぬような奴じゃない。裏がありそうだ」
そんな思いでいっぱいのクイヤンは密輸船爆破事件のもう1人の生き残りでありサン・ペドロ警察署にいるキントから話を聞き出そうとします。
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クイヤンはキントに5人が初めて出会った面通しの時に何があったのかを聞きます。
キントはマクマナスの言っていた「ちょっとしたヤマ」の話を伝えます。
「マクナマスが14分署の奴等から南米の運び屋がエメラルドを持って入国するという情報を掴み、そこを撃ちまくり強奪するから仲間にならないかと話していた」
マクナマスからこの話を提案されたキントは話を聞くことすら乗り気ではなかったキートンの所へ向かい、なんとか仲間になってもらえるように誘います。
恋人とも良好で、悪の道から更生しようとしていたキートンですが、金が欲しかった為、この計画に乗ります。
「マクマナスの考えた計画よりも、もっと良い計画がある。俺の計画なら死人も出ない。他の奴らと親睦のない俺が話すより、あんたが話した方がみんなも聞いてくれると思う。あんたはこの道では一目置かれている有名人だからな。あんたから俺の作戦を話してみんなを説得してもらえないか」
キントはキートンに頼みます。
面通しで出会った曲者揃いのユージュアル・サスペクツな5人がいよいよ犯罪を犯し始めます。
この映画を見るとどうしても言いたくなるセリフ
面通しの為に呼ばれた5人は、1人1人、あるセリフを言うように指示されます。
そのセリフがこちら。
「Hand me the keys,
you facking cocksucker」
意味はどうあれ、めちゃめちゃ言ってみたくなる音の響きなんですよねー。
特に「cocksucker」の所……
そのシーンの動画を見つけました。
私は2番目の力強い言い方か、
5番目の他の人とは違う言い方が好みだなぁー
みなさんのお好みは何番目の方ですか?
日本語訳では「キーをよこせ、チンポ野郎」
「cock」には「蛇口」といった意味があり、スラングで男性器を差す言葉として使われたりもします。
「sucke」は「吸盤」という意味。
「cocksucker」はあえて書きませんが、そのまんまの訳し方もあるのですが、「馬鹿で苛立たしい人を屈辱する言葉」という使い方もあります。
「ミステリー」と「サスペンス」の違い
映画もドラマも小説も、様々なジャンルがありますよね。
今作は「クライムサスペンス」というジャンルに当たります。
クライムサスペンスって何でしょうか?
そしてとミステリーとサスペンス、似たような意味合いの言葉ですが、一体どのような違いがあるのでしょうか?
ミステリー
ミステリーはギリシア語の「ミューステリオン」が語源で「神の隠された秘密、人智では計り知れないこと」という意味合いを持ち、「神秘」「不思議(不可思議)」「謎」である状況を指します。
観客が登場人物と一緒に「犯人捜し」をする所に着眼しているのがミステリーです。
作品を見ながら謎解きを楽しむことに重きを置いているのがミステリーなんですね。
言われてみれば、ミステリーって主人公が探偵のものが多いですもんね。
「金田一耕助」とか「名探偵コナン」とか「シャーロックホームズ」とか……
サスペンス
サスペンスはラテン語の「吊す」が語源で「観客の心を宙づりにする」という意味合いを持ち、「未解決」「不安」「気がかり」である状況を指します。
話の展開に気がかりなことがあり、観客に不安感と緊張感を与えることに着眼しているのがサスペンスです。
ミステリーと違い、「犯人」がいなくても成立するのがサスペンスです。
「シックスセンス」とか、「不安」や「気がかり」なことがあるけど、決して犯人探しがテーマではないですもんね。
「羊たちの沈黙」は犯人がいますが、それ以上に「不安」で「気がかり」なことがあります。
サスペンスの巨匠と言われているアルフレッド・ヒッチコック監督の作品は正しく分かりやすいサスペンスだと思います。
線引きが難しい……
ですが、前述のヒッチコックは「スリラーの神様」とも言われているんですよね……
「スリラー」って言葉まで出て来ちゃったよ……
ややこしくなるのでスリラーの話は置いておきますが。
今作の「ユージュアル・サスペクツ」に関しても「サスペンス」に分類されている方もいらっしゃれば、「ミステリー」に分類されている方もいらっしゃるんですよね……
サスペンスはミステリーのように「犯人捜し」という明瞭な基準がないことや、「サスペンス要素の強いミステリー」や「ミステリー要素の強いサスペンス」など複合されているケースも多いので意味が分からんくなるんですね。
明確な基準ってどうやらなさそう……
私はこの作品は「犯人捜し」を主体にしている訳ではなく、スリリングな話の展開が気がかりになったので「サスペンス」だと思います。
見たことある方、「ユージュアル・サスペクツ」はあなたにとってどんなジャンルに該当する作品ですか?
クライムサスペンス
サスペンスにも色々な種類があります。
その中でも今作は「クライムサスペンス」というジャンルのサスペンスになります。
クライムサスペンスとは「様々な事件や犯罪を扱っているサスペンス作品」のことです。
1つの作品の中で次から次へと犯罪が起こっていくのでハラハラが止まりません。
今作はクライムサスペンスの代表ヒット作でもあります。
その他にも「セブン」がクライムサスペンスですね。
感想
今まで何度となく見てきたこの作品。
1番最初に見た時にどのように思ったのか、今となっては曖昧な所もあります。
ですがこれだけは覚えていて、見終わった後に頭の中が「?」でいっぱいになったんです。
錯乱といいましょうか、混乱といいましょうか。
少し呆然としたことを覚えています。
それがまた癖になる映画というか、初めて見た時の困惑を2度目,3度目が解消してくれる。
クライムサスペンスなので、様々な犯罪が起きます。
初めて見た時には「何が物語の伏線になっているのか」を意識しないで素直に見ますよね。
そして衝撃を受ける。
2度目からは伏線回収です。
伏線を回収していき、また衝撃を受ける。
そんな映画です。
どうも何度も見たくなってしまうんですよね。
「1回見るだけでは理解出来ないような映画なの? 何だか面倒そうね」と思わないで下さいね。
初めて見ても十分に楽しめますよ!
ひょんなことから出会った者達にそれぞれの思惑があり、最後にひとつにまとまるのは必見です。
クライムサスペンスの名作!
見たことないという方、是非チャレンジしてみていただきたい一作です。
後、最後にこれだけ言いたい。
「ガブリエル・バーン」ってなんか声に出して言ってみたい名前ですよね。
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良いゴールデンウィークを……