【感想】『運命の恋を叶えるスタンダール』水野敬也
今回は、水野敬也さんの『運命の恋を叶えるスタンダール』を紹介します。
スタンダール最大の教え「結晶作用」
結晶作用とは。
相手のことを魅力的に感じてしまう作用のことです。
誰も見向きもしなかった木の棒が、
塩の結晶作用によってダイヤモンドのように美しく見えるようになる。
それと同じように、
最初は何も思ってなかった相手でも、結晶作用が起こることで魅力的に思えてくるわけです。
どんな人でも相手に結晶作用を起こさせることで
自分をダイヤモンドのような輝きに見せることが可能である。
これがスタンダールの恋愛論最大の教え「結晶作用」です。
相手に結晶作用を起こさせる方法
①周囲から評判になる
身もふたもないですが、人気があるものが欲しくなるということです。
この考え方は、他の結晶作用を起こすアクションにも通じるので覚えておくと良いです。
ではどうやって周囲から認められるか?
まず1つ目は外見を磨くことです。
重要なのは美しさではなく、磨くべき外見の長所を見つけ、長所だけに集中し、少しずつ自信をつけることです。
「服装が変わった」「髪型を変えて可愛くなった」など、元の状態から変化することで評判が生まれるのです。
また、あざとい手法ですが協力者に『あの男の前で私を褒めてくれ』と頼む方法もあります。
生まれつき周りから噂になるような美人でなくとも、努力次第で評判は手に入れられるというのがスタンダールの教えです。
②どんどん相手を裏切る
「手に入るか入らないか分からない女」を演出するのが生まれつき上手い人もいます。
そうでなければ、とにかく相手の期待や予想を裏切ることを意識するのが有効です。
③思ったことをストレートに口にすること
思ったことを口に出す反対は「自分がどう見られているかを考えてから話す」ことであり、これでは自意識過剰で自信がなさそうな会話になります。
自信がなさそうだと、結晶作用を起こさせることができません。
実践しようとすると意外と怖いことに気づきます。
例えば友人の髪が短くなっていた時に
「髪切ったか聞こうかな?でも切ったのはだいぶ前のことかもしれない、そもそも切ってないかも…」と思い悩んだり。
そんな迷いがどんどん自信のなさになっていくと思うと、いかに結晶作用から遠ざかっていたかよく分かります。
やめるべき!結晶作用を弱める行動
①好きだと言われて喜ぶこと
相手に好きだと言われて喜ぶことは
『よっしゃあ!このトマト売れたぁ!』
と言われたガッカリ感を相手に与えていることになるのです。
同じようなガッカリ感を与える例として、この本では年齢の自虐をすることも挙げられています。
この本には書いてないですが「私モテないです宣言」や自信のなさそうな振る舞いは
売れ残りトマトのガッカリ感につながると思うので、注意が必要です。
②相手に惚れてしまうこと
結晶作用の恐ろしい点は、快楽を伴うことです。
誰かを好きになること自体に快楽があり、しかもその快楽は「この人と私は結ばれる♡」という勘違いから始まることです。
しかし相手の行動によって喜び、舞い上がり、分かりやすくメロメロになっていく女性は
第三者から見るとどう見えるでしょうか?
…それは、買われたことを喜ぶトマトです。
好きになったからこそ、相手と結ばれたいのは分かります。
でも相手と結ばれるなら、相手を好きになる気持ちを=結晶作用を抑えなければならないのです。
迷った時に役立つスタンダールの励ましメッセージ
ヴォレ!
主人公がコンタクトにし髪を切りに行くときに「ヴォレ!」
今まで着ていた地味な服を根こそぎ捨てるときにも「ヴォレ!」
憧れの人に思いきって本音をぶつける前に「ヴォレ!」
思い切った行動だけが、人生を変えられる。
分かっていても足がすくむ時に心の中で「ヴォレ!」です。
シャース!
フランス語で「運が良い」という意味の「ジェ・ドゥ・ラ・シャンス」
を略して、さらに先輩に対する挨拶風にアレンジしたのが「シャース!」です。
どんな不運に見舞われても、これって逆にラッキーだよね!と言うための合言葉が
シャース!なのです。
【正直レビュー】「それでも恋愛は無理」と思ういじっぱり女子にオススメ。恋愛しないあなたごと認めてくれる本。
自分を価値があるように見せて相手を魅了する、そんな方法が詰まった本です。
それを教わる主人公の女性は30歳恋愛経験なし、現実では男性と話せないのに妄想だけは得意で、エッチな下着を集めている…という救いようもなさそうなモテない女です。
そんな主人公に、スタンダールは愛とユーモアを持って恋愛テクニックを教えてくれます。
ですがこの本で最も心に刺さるのは、恋愛をしていない人や「結晶作用」が起こりそうもない行動を否定しないことです。
ネタバレになりそうなので詳しく書けませんが、
なんで恋愛しないといけないの?と思う女性ほど読んで欲しい一冊です。
恋愛をしてこなかった過去も救われるような、泣ける本です。
最後まで読んでくださりありがとうございました!!
ひつじ🐏