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【感想】『ザ・コーチ3 時間泥棒と賢者の地図』谷口貴彦
今回は谷口貴彦さんの『ザ・コーチ3 時間泥棒と賢者の地図』を紹介します。
この本は谷口貴彦さんの『ザ・コーチ』シリーズの3作目であり、1作目と2作目の感想はこちらです。
どれから読んでも問題ありませんが、⚠️この記事ではザ・コーチ1のストーリー上のネタバレを含みます⚠️その点はご注意ください。
⚠️再掲:この記事はザ・コーチ1のストーリー上のネタバレを含みます⚠️
この本の概要
前作「ザ・コーチ」を経て仕事で大成功した主人公が、妻の大病をきっかけに時間の使い方を見直す物語です。
人生には様々な要素があります。仕事、家庭、趣味、健康など。
たとえ仕事で大成功することだけが目標だったとしても、他の要素にもバランスよく時間を使うことで結果的に上手くいく、という本です。
自分の間違いに気づいて後悔しながら、主人公は人生を修正し始めます。
こんな人におすすめ!
目標に向けてめいっぱい努力できるが、短期間で飽きてしまう人
平日バリバリ働く代わりに、休日は無心でSNSを見て過ごしてしまう人
最近成功し始めて、足元をすくわれないか不安な人
『ザ・コーチ』1・2との違い
『ザ・コーチ』『ザ・コーチ2』の主人公たちは、最初こそパッとしないものの順調に人生を良くしていきます。わかりやすい成功物語です。
ですが今作『ザ・コーチ3』は、妻の大病から始まります。
そこから主人公が自分の間違いに気づいていく物語なのが前作までとの違いです。
『ザ・コーチ3』学びポイント
①自由自在に止まれる人は、どこまで加速しても大丈夫
『何かをやると約束するより、何かを絶対にやらないと決意することは、人格として上位だと。そして、やらないと決めたことを実行することが、自由を手に入れること』(中略)
ほかにも『終わらせる力は、始める力より、時として重要だ』とも言っていました。『自由自在に止まれる人は、どこまで加速しても大丈夫』
主人公はこれを車に例えていました。
アクセルは効くけどブレーキが壊れている車は使い物になりません。
そう考えると、始める力と終わらせる力のどちらが大切かよく理解できます。
やるべきことは分かっているのにゲームやSNSをしてしまう時があります。
誘惑に時間を奪われていると思っていましたが、自分のブレーキの方が壊れていたんだと気づきました。
②英雄色を好む。目標達成だけを続けるのは不可能
目標達成のための行動には、直接的なものと間接的なものがあります。
営業マンのためであれば、客先訪問は直接的な行動。コミュニケーショントレーニングを受けるのは間接的な行動です。
直接的な行動ばかりが続くと、その反動で時間を浪費に使うことが増えていくといいます。
英雄、色を好むとか、あまりにのめり込むとタバコが増えるとか、成果を出し続けている営業マンが、ギャンブルにはまる。といったことだろうか・・・確かに反動がありそうだ。
時間を浪費せず目標達成するためには、直接的な行動と間接的な行動のバランスをとらないといけないということです。
働いてる時はがむしゃらだけど、スイッチが切れると一気に無になってしまう人は、直接行動と間接行動のバランスが悪いといえます。
③大事な人を見送る不安
時間配分とは少し話が違いますが、
妻の代わりに朝の支度をしている主人公が気づいたことの一つが、子供を見送る時の不安です。
大切な人を送りだすって、こんな気持ちなんだな。優子は、家族に対する不安と期待をいつも抱えて、一日を送っていたんだ。
送られる側は、送り出された先の結果をコントロールできます。
ですが送り出す側は祈ることしかできません。
誰かに送り出してもらう、背中を押してもらう時。
相手の不安を背負っているということを意識できたら、例えば帰ってきた時の報告や、待つ側への配慮も充実するのではないかと思いました。
【正直レビュー】働き盛りのうちに気づきたい「後悔しない時間配分」を教えてくれる本。
主人公の妻が病気をするシーンは、時間を巻き戻すことができないことを痛感させられます。
もっと早く気付いていれば、話を聞いていれば。
そんな風に時間の使い方に失敗したとしても、それを取り返すことはできないのです。
だからこそ、仕事以外をないがしろにしがちな働き盛り読むと良いと思いました。
失ってからでは遅いんだと気づける一冊です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
本好きひつじ🐏📕